【機械化】(きかいか)

歩兵部隊に自動車を配備し、兵士がそれに搭乗して機動できるようにする事。
これにより、徒歩や鉄道での移動に比して格段の移動速度と柔軟性を得ることができる。
師団旅団など戦略級単位の部隊に一括して配備する事が多く*1、「機械化師団旅団)」と表現される事が多い。

第二次世界大戦において、ドイツ軍が歩兵戦車に追随させるためにトラックを用意した事を起源とする。
この時代の機械化は特に「自動車化(モータリゼーション)」と呼んで区別する場合もある。

それから時が経った現代では大いに推進され、単に部隊に自動車を配備することは当たり前になってきている。
このため、現代で「機械化」と呼ぶ場合には歩兵戦闘車装甲兵員輸送車など装甲化された車両の配備を指す事が多い。
トラックや乗用車は迫撃砲機関銃によって撃破可能なため、制圧射撃下では車を捨てて徒歩に戻る必要が生じる。
一方、装甲化された車両は歩兵レベルの火力には拘束されず、制圧射撃下でも機動力と柔軟性を維持できる。

とはいえ、別に制圧射撃を無視して行動するわけではない。成形炸薬弾が飛んでくる可能性は常に念頭に置かれる。
ただ、乗員達が車を捨てて散開し物陰に隠れるより、装甲を頼りに素早く走りぬけた方が安全なのだ。


*1 一つの作戦に関与する全員が一度に搭乗できなければ配備する意味がないため。歩兵は原則として1個師団(及び旅団)に満たない規模では活動しない。

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