【艦載砲】(かんさいほう)

水上艦潜水艦に搭載して用いる事を前提において設計された火砲。 デッキガン。
機関砲のように汎用的に設計されたものは基本的に含まない。

発想自体は火砲そのものの起源と同程度に古く、14世紀には既に試験的運用が始まっている。
当初の砲弾は爆薬を内蔵せず、木造帆船が相手であっても十分な破壊力は持ち得ていなかった。
また、砲の反動による揺れへの対策が不十分で、あまり口径の大きな砲は搭載できなかった。
黎明期の艦載砲は船の撃沈を狙うものではなく、拿捕に移るまでの前哨戦のための武器だった。

やがて榴弾などの技術が発達すると、砲撃で艦艇を撃沈する事も可能になっていった。
結果、艦載砲はより大威力長射程を求めて大型化の一途を辿っていき、それを載せる船自体も、砲が要求するペイロードに応え、また敵の砲弾に耐えるために巨大化していく。
いわゆる、大艦巨砲主義の台頭である。

しかし、第二次世界大戦における航空母艦の台頭により、大艦巨砲主義は終焉を迎えた。
現代では、艦対艦ミサイルと空母に搭載される艦載機が、かつての艦載砲に替わる打撃力の根幹となっている。
現在の海軍艦艇も艦載砲を搭載するが、それは迎撃用の速射砲程度に限られている。


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