【加圧水型原子炉】(かあつすいがたげんしろ)

原子炉の一種で、冷却材として加圧した水を使うもの。
このため冷却材が100℃以上になっても、液体の状態を保ち安定している。
この冷却材(一次冷却水という)の熱で、別の水(二次冷却水という)を沸騰させ、その水蒸気で蒸気タービンを回転させる。

原子炉は燃料補給の必要がほとんどなく、また酸素を消費しないことから、潜水艦への応用が期待された。
加圧水型は揺れる海上や海中でも安定して運転できるように開発された型で、世界初の原子力潜水艦であるノーチラスで初めて実用化された。
また、水蒸気が放射能を含まないため二次利用が可能であり、原子力空母カタパルト動力として活用されている。

その後改良を繰り返し、原子力発電所などに広く応用されている。
沸騰水型原子炉に比べて基本構造は複雑だが、蒸気タービンが放射能に汚染されるおそれがないため、その部分の保守が容易である。
日本では、関西電力の原子力発電所などで用いられている。
2004年8月に美浜原発で発生した蒸気漏れ事故は、5名が死亡するという日本原発史上最悪の惨事となったが、漏れたのが二次冷却水であったため被曝はなかった。


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