【ヴィクラマーディティヤ】(びぃくらまーでぃてぃや)

INS Vikramāditya.
インド海軍が保有する航空母艦
ロシア海軍が使用していた重航空巡洋艦*1「バクー」を、インドが総額15億ドル*2で取得したものである。
艦名は、シヴァが降臨したとされる伝説上の皇子の名で、グプタ朝を始めとするインドの諸王が号した尊称に由来する。
「ヴィクラマディティア」「ヴィクラマディチャ」とも表記される。

現在、ロシアのセヴェロドヴィンスク市に所在するセヴマシュ・プレドプリヤーチエ(北方機械建造会社。旧第402海軍工廠)において全通甲板を持つ空母へと改装中である。
主な改修点としては、艦首部のP-500SSMランチャーを撤去およびスキージャンプ台の設置、アングルドデッキの廃止、飛行甲板の拡張、ボイラーの換装(KVG-ZD(KVG-2M-GM))などである。
レーダーはMR-700「ポドベレゾヴィク」とMR-760「フレガートMA」3次元レーダーを搭載している。

しかし、改装費の高騰や改装時のトラブルで引渡しは2013年まで延期される模様で、現在運用中の空母「ヴィラート」に延命工事が実施される予定である。

当初、艦載機についてはシーハリアーFRSを予定していたが、高温多湿のインド洋において、離着艦の挙動がエンジン推力に左右されるSTOVL機は不安定で危険であると言う運用経験から、Su-30の艦載機型かMiG-29艦載機型(MiG-29K)が検討されたが、サイズが小さくより多く搭載できるMiG-29Kに決定した。

スペックデータ

全長273.1m
水線長242.8m
全幅53.0m
水線幅32.7m
喫水10.2m
満載排水量45,000t
機関蒸気タービン(出力180,000hp)×4基
KVG-ZD(KVG-2M-GM)ボイラー×8缶
4枚プロペラスクリュー4軸推進
発電機ディーゼル発電機(出力1,500kw)×6基
最大速力32Kn
燃料7,000t
1,500t(航空機用)
航続距離7,000海里/18Kn
定員1,612名(内士官383名)
430名(航空要員)
50名(司令部要員)
兵装カシュタン(CADS-N-1)複合型CIWS×8基
艦載機MiG-29K×16機
Ka-31早期警戒ヘリコプター?×6機
レーダーMR-700「ポドベレゾヴィク」3次元レーダー×1基
MR-760「フレガート-MA」3次元対空レーダー×1基
「ガゾン」航空機管制用レーダー×1基


同型艦

艦名主造船所取得進水就役
ヴィクラマーディティヤ
(INS Vikramāditya)
チェルノモールスキィ2005.3.102008.12.82013.



*1 ロシア軍における航空母艦の正式な名称。
*2 これは、改装費用と艦載機などの代金で、船体自体は無償譲渡である。

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