【ワゴン・ホイール】(わごん・ほいーる)

ドッグファイトで行なわれるマニューバーのひとつ。
空対空ミサイルの発達によって陳腐化したため、現代空戦では通用しなくなっている。

数機の編隊で輪を描くように飛ぶ。
彼我の有効射程に大差がないと仮定した場合、敵機を撃墜して生還するためには、敵の背後に回り込む必要がある。
しかし、ワゴン・ホイール中の機体の背後に回り込もうとすると、僚機がそのさらに背後に回り込んで来る事になる。

編隊での連携を念頭に置くマニューバーであり、敵機より機動力に劣る場合を想定した戦術である。
ベトナム戦争で北ベトナム空軍*1がこの戦法を用い、多くの米軍機を撃墜している。

なお、敵機の機動力が極端に高い場合、敵機の離脱が早すぎて戦術が破綻する事がある。
機体の旋回性能に大きな差がある場合や、敵機が上空からパワーダイブを仕掛けた場合、僚機が追いつけない可能性が高い。

また、目視外射程から空対空ミサイルアウトレンジ攻撃を仕掛けてくる敵に対しても全く意味がない。


*1 使用機体はMiG-21MiG-19MiG-17

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