【リード弾】(りーどだん)

被甲(ジャケット)などを施さない鉛(Lead)の塊を弾頭とする弾丸。「レッド弾」とも。
鉛を鋳造して作る事から、単に鋳造弾(キャストブレッド)と呼ばれる事もある。

摩擦熱などで容易に変形するため装甲貫通力は低く、飛翔中にも変形して軌道がぶれるため、ライフルに使用した場合、有効射程は著しく低下する*1
半面で人体への殺傷力は高く、銃身への負担も低く、何よりも安価であるため拳銃弾散弾、および訓練用として需要がある。
また、射撃競技や狩猟用拳銃のために鉛合金を精密に鋳造して命中精度と強度を高めた「カスタムキャストブレッド」も存在する。

初期のガンは射手が自ら弾丸を鋳造する事が一般的であり、一般に弾丸といえば容易に加工できる鉛の鋳造弾の事を指していた*2
しかし、ライフルや金属薬莢によって弾丸の初活力が増加すると変形による命中精度の低下が問題になり、被甲(ジャケット)を被せて硬度を高めた弾丸が発明されると戦場から姿を消していった。

また、鉛は毒性の強い金属であるため弾丸の素材として適しているとは言いがたい面がある。
負傷者の体内に残留すれば深刻な後遺症をもたらし、発射ガスを吸い込めば射手にも健康被害を与える。
流れ弾が放置されれば野生動物の体内に入ったり、土壌汚染を引き起こして周辺環境にも悪影響を及ぼす。
この中でも特に負傷者への影響は深刻であり、ハーグ宣言でも軍隊による対人使用が禁止されている。
各国の軍隊司法警察?はこれに準じて通常職務・任務での使用を自粛している他、近年では室内射場や狩猟での使用も避けられる傾向にある。

関連:FMJ ワッドカッター弾 ホローポイント弾 ソフトポイント弾


*1 特に現代のライフルは極端に初速が速くなったため、銃身内で大きく変形して暴発を招く恐れすらある。
*2 この時代のは火薬入れと弾丸の鋳造用具一式をセットにして販売される事が多かった。

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