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【ミニミ】 †
FN Mini Mitrailleuse
ベルギーのファブリック・ナショナル社が開発した分隊支援火器。
"MINIMI"という名称は、フランス語のMini Mitrailleuse(最小の機関銃)を略したもの。
ベルギー軍の他、アメリカ軍がM249の名称で大量採用し、その他西側数カ国の軍隊でも使用されている。
弾丸は自動小銃用の5.56mm NATO弾を使用する。
弾倉の規格もM16小銃と共通で、歩兵の予備弾倉をそのまま挿し込んで発射できる*1。
連射速度も自動小銃と大差なく*2、運用思想上はほぼ「フルオート用に特化した大型自動小銃」として扱われる。
重量は弾丸200発を含めても8kg程度で、1名でも持ち歩く事が可能。
両手で抱えたまま撃つ事も理論上可能だがあまり推奨されず、地形や壁などで銃身を支えて撃つのが一般的。
スペックデータ †
口径 | 5.56mm |
全長 | 1,038mm |
銃身長 | 465mm |
重量 | 6.9kg(無装填状態)/10kg(200発装填状態) 6.56kg(M249 Para) 5.32kg(MK46 Mod1) 8.17kg(MK48 Mod0) |
ライフリング | 6条右回り |
使用弾薬 | 5.56mm×45 NATO弾 |
装弾数 | 200発箱形マガジン(M27) 30発(M16用マガジン) 100発(C-Mag) |
作動方式 | ガス圧利用(ロングストロークピストン式)、ターンロックボルト、オープンボルト |
発射速度 | 725発/分(ベルト給弾時)/1,000発/分(マガジン装填時) |
銃口初速 | - |
有効射程 | 1,000m(FN発表値) 米軍の方針:600m(肩撃ち・点標的)/800m(肩撃ち・面標的あるいは伏射・点標的) オーストラリア陸軍の方針:400m(伏射・点標的) |
主なバリエーション †
- M249:
アメリカ陸軍や海兵隊用のモデル。熱対策として銃身上部にカバーを取り付けている。
- Mk46 Mod1:
アメリカ特殊作戦軍(USSCOM)が採用したモデル。
改良されたレール型ハンドガード、軽量な固定式ストック等が特徴。
- Mk48 Mod0:
SEALs等、米特殊作戦軍の要請による改良モデル。
弾丸が7.62mm×51mm弾に変更されている。
- 5.56mm機関銃MINIMI:
日本の自衛隊が使用する住友重機械工業?によるライセンス生産モデル。
日本の制度的事情から、1挺あたり250万円まで価格高騰してしまった。
62式7.62mm機関銃?の三脚を装着可能。
陸上自衛隊のほか、航空自衛隊では基地警備隊やUH-60の自衛火器として、海上自衛隊では護衛艦の搭載火器として調達されている。
- C9:
カナダ軍共有モデルで、金属製伸縮チューブ式ストックを付けたもの。
フロントサイトの形状が異なる。
- C9A1:
スコープ用にピカティニー・レールを取り付けたモデル。 - C9A2:
銃身を切り詰めたモデル。
M4カービンのようなテレスコピック・ストックを設置。
フォアグリップが折りたたみ可能。
- C9A1:
- F89:
オーストラリア陸軍に採用されたモデル。
ピカティニー・レール採用。
1.5倍光学サイト(スコープ)を設置し、フラッシュハイダーも延長されている。
- L108A1:
イギリス陸軍モデル。
- L110A1:
イギリス陸軍空挺部隊モデル。
- Ksp 90:
スウェーデン陸軍モデル。
- AAT-F1:
フランス陸軍モデル。
- 大宇 K3:
韓国軍モデル。引金や銃把、銃床、ハンドガードにはK2?と同じ部品を用いている。
Photo:JGSDF
*1 しかし、M16用弾倉の30発では分隊支援火器として充分に機能しないため、実際に弾切れを起こした場合はミニミに給弾するよりも仲間の小銃弾を温存するか、いっそミニミを置き捨てて小銃に持ち替えた方が賢明だと思われる。
*2 装弾数が多く安定性に優れるため連射し続けていられる時間が長く、敵にとっての体感的な連射速度は相当に早い。
*3 Special Purpose Weapon:特殊用途火器