【ボディアーマー】(ぼでぃあーまー)

body armor.

防弾チョッキと並ぶ個人用防具の一種で、特に破片に対する防御に重きを置いたもの。
近年の戦争において、兵士の死傷者の大半は砲弾(榴弾)や爆弾が炸裂した際に飛散する破片によるものであるため*1、その対応策として生まれたのが防弾チョッキを発展させたボディアーマーである。

防弾チョッキと違い、胴体のみならず腋窩・首回り・股間・大腿など、人体の急所と動脈の存在する広範囲をカバーするものが多い。
素材はケブラー繊維・高強力ポリエチレン繊維など防弾チョッキで使われているものとほぼ同じである。
防御能力は破片や拳銃弾程度を防げるものから、徹甲弾が防げるものまで幅広い。

小銃弾クラス以上に対応するには、複合繊維だけでは対応できないためセラミックプレートを併用するが、固いものを仕込むと衝撃をもろに食らってしまうため*2、緩衝材を更に挟み込むことが義務付けられている場合が多い。
なお、セラミックプレートを併用すると重量は20kgを超え、着用者の体力を著しく削ぐため、長時間の活動はできない。
そのため任務に応じて取り外したり、別の軽量なボディアーマーを用いることもある。

この防御能力と重量のバランスは現代に至るまで将兵の悩みの種であり、かつてはセラミックプレートの重さを嫌ってわざと抜き取ったり、敵に向かい合う正面だけプレートを入れて後は取り外してしまうといった事がしばしばあった。
しかし、そのようなボディアーマーは当然小銃で撃たれればたやすく貫通してしまい、プレートを入れなかったがために死亡したという例もあるため、より軽量でより強いボディアーマーの開発が日々行われている。

関連:防弾チョッキ


*1 ベトナム戦争でのデータであるが、ジャングルのような塹壕戦に近い状況下で小銃弾のみで敵を殺傷するには一人当たり30,000発以上の弾が必要だったという。
*2 撃たれた際にブラジャーの金具が原因で怪我をした、という話があるくらいだ。

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