【ホバリング】(ほばりんぐ)

Hovering

航空機や鳥などが空中で一時停止する事。
基本的には何かを観測するため、着陸するため、または空挺降下を行うために実施される。

翼に依存して飛行しているものは停まると失速して墜ちるため、ホバリングが構造的に不可能。
自然界ではハチドリのような小鳥や一部の昆虫など、非常に軽く小さな動物のみがホバリングを行う。

機械の場合、推力を垂直に上に向ける事ができ、かつその状態でバランスを保てる機体である事が要求される。
ジェットエンジンの排気口に真下に向けるか、プロペラを真上に向ければ理論上可能である。
ホバリングする機械の代表格はヘリコプターだが、これもプロペラを真上に向ける事で重力を相殺している。

実際にはただホバリングするだけでは航空機として用を為さず、前進する必要もある。
普通は同じエンジンが前進用とホバリング用を兼ねていて、真上に向けていた推力を傾ける事で前進を行う。
ヘリコプターの場合、前進する時は機体全体が前傾姿勢に傾いている。
VTOLティルトローターの場合はエンジン自体が旋回してホバリングと前進を切り替える。

操縦技術としては、ホバリングはかなりの困難を伴う。
前に進むベクトルがないため機体の静安定性を期待できず、姿勢を崩すリスクが大きい。
また、風などの外乱を受けやすく、ホバリングを終了して前進し始める時も姿勢を崩しやすい。

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