【ベル222】(べるとりぷるつー)

Bell 222
ベル社製の民間向けターボシャフト双発ヘリコプター

同社のターボシャフトヘリコプターは、それまで軍用単発型から民間型や双発型へ発展していったのに対し、本機は最初から民間向けの双発機として開発された。
主な用途は要人輸送であり、パイロット2名のほか、キャビンに5〜6名の乗客を乗せる。
(簡易座席の場合、総員10名まで乗せることができる)
また着陸装置?は高級機らしく、引き込み式のランディングギアを装備する。

最大の特長は、イルカにも似た流線型の美しい胴体であり、ベルは本機をTVドラマ『超音速攻撃ヘリ エアーウルフ』の撮影に提供して知名度を高め、セールスに成功した。
しかし乗り心地重視で汎用性が低いことや*1、初期のエンジンにおける信頼性問題*2などが指摘され、シコルスキーS-76や、アグスタAW109などに遅れを取ったともいわれる。

スペックデータ

タイプベル222Aベル222Bベル222UTベル230
乗員2名(操縦士副操縦士
乗客数5〜6名
全長15.1m15.32m
機体長12.85m12.78m12.88m
全高3.56m3.71m3.56m
主ローター直径12.2m12.80m
空虚重量2,066kg2,076kg2,058kg2,312kg
最大離陸重量3,560kg3,742kg3,810kg
エンジンターボシャフト×2基
ライカミング
LTS-101-650C-3
ライカミング
LTS-101-750C
ロールス・ロイス
250-C30G/2
出力618hp(461kW)680hp(505kW)700hp(520kW)
最大速度130kt135kt140kt
上昇率8.03m/s8.79m/s8.13m/s
飛行可能高度3,901m4,816m4,724m
ホバリング可能高度2,743m3,139m3,780m
航続距離600km700km900km700km

各バリエーション

  • ベル222A:
    初期型。エンジンはライカミングLTS101-650C。

  • ベル222B:
    エンジンをLTS101-750Cに変更してペイロードを増強し、メインローターをより大きなものにした型。

  • ベル222UT(Unity Twin):
    着陸装置?ランディングスキッドに変更した軽量型。

  • ベル222SP:
    市場におけるLTS101の問題を受け、既存機のエンジンをアリソン250に交換した型。

  • ベル230:
    エンジンをアリソン250に変更してホバリング性能を向上、航法装置を強化して完全な計器飛行能力を獲得した型。
    • ベル230 エグゼティブ:
      要人輸送用。
    • ベル230 ユーティリティ:
      一般輸送用。
    • ベル230EMS:
      救急用。
      担架を1〜2台搭載している。

  • ベル430:
    ベル230の拡大型。
    ローターを4枚ブレードにし、キャビンを大型化して居住性を向上した。


*1 キャビンを広くとるため、ライトツイン機としては珍しくスポンソンを備えており、後部ドアの配置や使い勝手に制限がある。
*2 ライカミングLTS101はHH-65などでも問題を起こした。

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