【フルオート】(ふるおーと)

銃の引き金を引き続ける間、弾丸が自動的に発射され続ける事。
普通は拳銃短機関銃小銃などといったセミオートとの区別が必要な場合に使われる用語で、機関砲については言及されない事が多い。

フルオートでの射撃はその性質上、短時間で多くの弾丸を消費する事になる。
銃に装填できる弾数も携行できる弾薬の量も常に有限である以上、節約できるに越した事はない。
バースト射撃などはこのための工夫である。

フルオート方式の主な利点はセミオートボルトアクションライフル回転式拳銃などと比べて圧倒的な火力的優位、つまり不特定多数の敵を可能な限り素早く無力化し、可能な限り反撃を受ける機会を少なく済ませる性能である。
この事は銃に要求される性能として「引き金を引けばきちんと銃口から弾丸が発射される事」に次いで重要である。

逆に、フルオート方式による主要なリスクは誤射の危険性が飛躍的に増大する点にある。
銃弾を命中させてはいけない何か――例えば人質、無関係な民間人、危険な可燃物などが存在する戦場でフルオート掃射を行うのは明らかに危険である。
従って、無関係な民間人が近くにいる状況で発砲することの多い警察官にフルオート式の銃は支給・貸与されない事が多く、どこの誰が何に向けて撃つかわかったものではない民生用の銃にもフルオート式は採用されない。

……とはいえ、誤射のリスクはしばしば無視されるのも事実である。
人質と犯人、一般市民とゲリラなどが混在して敵味方の判別が容易でない状況では「誤射は止むを得ない」と判断される事が多い。
また、警察官にせよ民間人にせよフルオートでない銃の所持を許される事はままあるが、もちろん、ボルトアクションライフルでも半自動式拳銃でも誤射や暴発は起こり得る。


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