【ファルコン】(ふぁるこん)

Falcon.
英語で隼の意。

  1. アメリカ合衆国の空対空ミサイルAIM-4/AIM-26/AIM-47それぞれの愛称。

  2. アメリカ合衆国の空対地ミサイルAIM-76?の愛称。

  3. ダッソー ファルコン
    フランスのダッソー社が開発したビジネスジェット機。詳しくはファルコン(ビジネス機)を参照。

  4. ZVI FALCON
    チェコのZVI社で開発されたボルトアクション?式の軍用対物狙撃銃
    特殊部隊空挺部隊、対テロ部隊での運用を前提に、日中時で1,600m、夜間時で800mの狙撃に対応できるように設計されている。

    弾薬の違いにより2つのモデルがあり、主に東側諸国で使用されている12.7×108mm弾用のOP96と、主に西側諸国で使用されている12.7×99mm NATO弾用のOP99がある。

    チェコ共和国軍に採用され、アフガニスタン紛争(2001年〜)で使用されている。

    スペックデータ
    モデルOP96OP99
    口径12.7mm
    全長1,380mm1,260mm
    銃身長927mm839mm
    重量12,700g12,200g
    作動方式ボルトアクション
    使用弾薬12.7×108mm弾12.7×99mm NATO弾
    装弾数1発(装填式マガジン)
    銃口初速790〜900m/秒825〜925m/秒
    有効射程日中1,600m、夜間800m

  5. Falcon 1
    アメリカのスペースX社が開発した商業用宇宙ロケット。
    世界初の民間主導で開発されたロケット*1で、2006年から運用が開始された。

    二段式ロケットで、一段目は「マーリン」ロケットエンジンを、二段目は「ケストレル」ロケットエンジンを使用する。
    いずれも自社開発のエンジンであり液体酸素とケロシンRP-1を推進剤としている。
    また、ファルコン9(後述)とは部品が共通化されており、製造コストを抑制している。

    2010年以降はファルコン9の開発・製造に注力するために運用停止中である。

    スペックデータ
    種別人工衛星打ち上げロケット
    製造スペースX?
    全高21.3m
    直径1.7m
    全備重量38,555kg
    段数2段
    ペイロードLEO?:670kg
    SSO?:430kg
    エンジン第1段:マーリン1A/1Cロケットエンジン推力:454kN・比推力:255秒(海面高度))×1基
    第2段:ケストレル ロケットエンジン(推力:31kN・比推力:327秒(真空中))×1基
    燃料RP-1?/LOX
    運用年2006〜2009年

    【派生型】
    • ファルコン1(マーリン1A):
      開発初期型。

    • ファルコン1(マーリン1C):
      エンジンと機体を改良した型。
      エンジンは再生冷却式のノズルと燃焼室を持つ「マーリンC」を搭載している。

    • ファルコン1e:
      機体全長を延長し、燃料搭載量を増やしてペイロードの搭載重量を増加させた計画案。

      打ち上げ実績
      号機打ち上げ年月日射点バージョン搭載衛星結果
      12006/05/24クェゼリンマーリン1Aファルコンサット-2/DARPA?
      (プラズマ観測衛星)
      失敗*2
      22007/03/21クェゼリンマーリン1Aデモサット/DARPA部分成功*3
      32008/08/03クェゼリンマーリン1CTrailblazer/Operationally Responsive Space
      PREsat/NASA
      ナノセイルD/NASA
      Explorers/Celestis
      失敗*4
      42008/09/28クェゼリンマーリン1C擬似ペイロード(重量シミュレーター、165kg)*5成功
      52009/07/24クェゼリンマーリン1CRazakSAT
      (リモートセンシング衛星、重量180kg)
      (マレーシア)
      成功*6

  6. Falcon 9
    アメリカのスペースX社が開発した商業用打ち上げロケット。
    同社が開発したファルコン1を基に機体を大型化し、液体酸素/RP-1を推進剤としたエンジンを使用する2段式のロケットである。

    大型の貨物や有人宇宙船の打ち上げを想定して設計されており、NASAの商業軌道輸送サービス (COTS) 計画の下で開発した「ドラゴン」補給機を使ってISS?への補給を行う商業補給サービス (CRS) の契約をNASAから受注しており、その打上げロケットとしても使われている。

    打ち上げ実績
    号機打ち上げ
    年月日
    搭載衛星結果
    12010/06/04ドラゴン宇宙船
    (認証モデル(模型))
    成功
    22010/12/08ドラゴン宇宙船(COTS Demo Flight1)
    CubeSat?×8機
    成功
    32012/05/22ドラゴン宇宙船 (COTS Demo Flight2+)
    遺灰*7
    (ジェームズ・ドゥーアン、ゴードン・クーパー、ランディ・ヴァンウォーマー 他)
    成功
    42012/10/08ドラゴン宇宙船(SpaceX CRS-1)
    ORBCOMM-G2(通信衛星)
    成功
    (通信衛星は
    部分的失敗*8
    52013/03/01ドラゴン宇宙船(SpaceX CRS-2)成功
    62013/09/29*9CASSIOPE
    POPACS
    DANDE
    CUSat
    成功
    72013/12/03SES-8
    (通信衛星)
    成功
    82014/01/06Thaicom-6(通信衛星)成功


*1 これまでは軍で余剰となった弾道ミサイルを転用した物が多かった。
*2 燃料漏れにより、打ち上げ後25秒でエンジン停止。ロケット本体喪失。
*3 第2段エンジンが早期に燃焼停止し、予定の軌道へ到達せず。
*4 1段目の切り離しに失敗。1段目が2段目に追突し、ロケットが破壊された。
*5 元々はRazakSATを予定していた。
*6 商業打ち上げでは初である。
*7 スペース・サービシスが企画したファルコンロケット使用の宇宙葬「エクスプローラーズ・フライト」による。
*8 予定より低い不安定な軌道に投入されてしまい、安定した軌道に上昇させることが断念された。衛星は最低限の運用ののち大気圏に突入した。
*9 カナダ宇宙庁からの受注によるドラゴン宇宙船以外の宇宙機のみを搭載した初の商業ミッション。

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