【ファルコン】 †
Falcon.
英語で隼の意。
- アメリカ合衆国の空対空ミサイル、AIM-4/AIM-26/AIM-47それぞれの愛称。
- アメリカ合衆国の空対地ミサイル、AIM-76?の愛称。
- Falcon 1
アメリカのスペースX社が開発した商業用宇宙ロケット。
世界初の民間主導で開発されたロケット*1で、2006年から運用が開始された。
二段式ロケットで、一段目は「マーリン」ロケットエンジンを、二段目は「ケストレル」ロケットエンジンを使用する。
いずれも自社開発のエンジンであり液体酸素とケロシンRP-1を推進剤としている。
また、ファルコン9(後述)とは部品が共通化されており、製造コストを抑制している。
2010年以降はファルコン9の開発・製造に注力するために運用停止中である。
スペックデータ 種別 人工衛星打ち上げロケット 製造 スペースX?社 全高 21.3m 直径 1.7m 全備重量 38,555kg 段数 2段 ペイロード LEO?:670kg
SSO?:430kgエンジン 第1段:マーリン1A/1Cロケットエンジン(推力:454kN・比推力:255秒(海面高度))×1基
第2段:ケストレル ロケットエンジン(推力:31kN・比推力:327秒(真空中))×1基燃料 RP-1?/LOX 運用年 2006〜2009年
【派生型】
- ファルコン1(マーリン1A):
開発初期型。
- ファルコン1(マーリン1C):
エンジンと機体を改良した型。
エンジンは再生冷却式のノズルと燃焼室を持つ「マーリンC」を搭載している。
- ファルコン1e:
機体全長を延長し、燃料搭載量を増やしてペイロードの搭載重量を増加させた計画案。
打ち上げ実績 号機 打ち上げ年月日 射点 バージョン 搭載衛星 結果 1 2006/05/24 クェゼリン マーリン1A ファルコンサット-2/DARPA?
(プラズマ観測衛星)失敗*2 2 2007/03/21 クェゼリン マーリン1A デモサット/DARPA 部分成功*3 3 2008/08/03 クェゼリン マーリン1C Trailblazer/Operationally Responsive Space
PREsat/NASA
ナノセイルD/NASA
Explorers/Celestis失敗*4 4 2008/09/28 クェゼリン マーリン1C 擬似ペイロード(重量シミュレーター、165kg)*5 成功 5 2009/07/24 クェゼリン マーリン1C RazakSAT
(リモートセンシング衛星、重量180kg)
(マレーシア)成功*6
- ファルコン1(マーリン1A):
- Falcon 9
アメリカのスペースX社が開発した商業用打ち上げロケット。
同社が開発したファルコン1を基に機体を大型化し、液体酸素/RP-1を推進剤としたエンジンを使用する2段式のロケットである。
大型の貨物や有人宇宙船の打ち上げを想定して設計されており、NASAの商業軌道輸送サービス (COTS) 計画の下で開発した「ドラゴン」補給機を使ってISS?への補給を行う商業補給サービス (CRS) の契約をNASAから受注しており、その打上げロケットとしても使われている。
打ち上げ実績 号機 打ち上げ
年月日搭載衛星 結果 1 2010/06/04 ドラゴン宇宙船
(認証モデル(模型))成功 2 2010/12/08 ドラゴン宇宙船(COTS Demo Flight1)
CubeSat?×8機成功 3 2012/05/22 ドラゴン宇宙船 (COTS Demo Flight2+)
遺灰*7
(ジェームズ・ドゥーアン、ゴードン・クーパー、ランディ・ヴァンウォーマー 他)成功 4 2012/10/08 ドラゴン宇宙船(SpaceX CRS-1)
ORBCOMM-G2(通信衛星)成功
(通信衛星は
部分的失敗*8)5 2013/03/01 ドラゴン宇宙船(SpaceX CRS-2) 成功 6 2013/09/29*9 CASSIOPE
POPACS
DANDE
CUSat成功 7 2013/12/03 SES-8
(通信衛星)成功 8 2014/01/06 Thaicom-6(通信衛星) 成功 - ダッソー ファルコン
フランスのダッソー社が開発したビジネスジェット機。
1950年代から開発が開始され、1963年にファルコン20が初飛行した。
その後、ファルコン20の成功を受け、1970年にはやや小規模なサイズのファルコン10、1976年にはエンジンを三発にして大型化したファルコン50も開発された。
現在に至るまでのシリーズ累計生産数は1,000機を超えており、日本航空の乗員訓練機や社用機などの民間のビジネス機としてのみならず、フランス海軍やアメリカ沿岸警備隊、海上保安庁などの軍・政府機関でも用いられている。
スペックデータ 形式 ファルコン
10/100ファルコン
20/200ファルコン
50ファルコン
900ファルコン
2000ファルコン
7X乗員数 2名
(機長、副操縦士)3名
(機長
副操縦士
客室乗務員)乗客数
(最大)8名 120名 10名 19名 12名 全長 13.86m 17.15m 18.5m 20.21m 20.23m 23.19m 全高 4.61m 5.32m 6.97m 7.55m 6.98m 7.863m 全幅 13.08m 16.32m 18.86m 19.33m 26.21m 自重 4.8t 8.2t 9.2t 10.5t 8.9t 15,456kg エンジン ターボファン×2基 ターボファン×3基 ターボファン×2基 ターボファン
×3基エンジン
形式ギャレット
TFE731-2
ギャレット
TFE731-2-1C
(ファルコン100)ギャレット
ATF3-6A-4Cギャレット
TFE731-3ハネウェル
TFE731-5BR-1CGE
CFE738-1-1BP&W・カナダ
PW307A推力 3,230lbs 2.4t 1.7t 2.1t 2.7t 28.46kN 巡航速度
(最大)912km/h 870km/h 888km/h 927km/h 893km/h 900km/h 航続距離 約3,500km 4,650km 6,480km 約7,400km 5,787km 11,019km
(乗客8名)
【バリエーション】
- ファルコン 10:
ファルコン20をさらに小型化した機体。
- ファルコン100:
後期型。エンジンをTFE731-2-1Cに換装している。
- ファルコン100:
- ファルコン 20:
初期型。エンジンはGE製のGE700-2Cを搭載。
後にファルコン20Cと呼ばれた。
- ファルコン 20D:
エンジンをGE700-2Dに変更し、燃料容量・最大離陸重量を増加した型。
- ファルコン 20E:
エンジンをGE700-2D-2に変更し、更なる最大離陸重量増加、大容量のスターター/ジェネレーターを装備した型。
- ファルコン 20F:
燃料タンクを拡大し、スラット?の追加により離着陸性能を向上させた型。
- ファルコン 20G:
海上哨戒・救難用モデル。
エンジンはギャレット・エアリサーチ製のATF3-6-2Cに変更された。
- ファルコン 200(旧称ファルコン 20H):
後期生産型。エンジンをATF3-6A-4Cに変更し、燃料タンクを拡大した。
- ファルコン・カーゴジェット:
貨物機型。フェデックスが採用した。
- ファルコン 20C-5/D-5/E-5/F-5:
エンジンをTFE731-5AR-2CあるいはTFE731-5BR-2Cに換装した改造機。
- ファルコン 20D:
- アメリカ沿岸警備隊向け(HU-25「ガーディアン」)
- ファルコン 50:
ファルコンシリーズ中で最初の三発エンジン型。
- ファルコン 50EX:
エンジンを換装した型。
- ファルコン 50EX:
- ファルコン 900:
ファルコン 50の拡大改良型。
エンジンはTFE731-5AR-1Cを搭載。
- ファルコン 2000:
ファルコン 20/200の後継として1990年代に開発された双発エンジン型。
エンジンはゼネラル・エレクトリック製CFE738-1-1Bを搭載。
- ファルコン 2000EX:
エンジンをプラット・アンド・ホイットニー・カナダ PW308Cに変更した型。
2001年10月に初飛行。^ - ファルコン 2000EX EASy:
2000EXのアビオニクス改良型。 - ファルコン 2000LX:
現在販売中の最新型。
2000EX EASyにウィングレットを装備し、航続距離を7,408kmに延長した。 - ファルコン 2000S:
離着陸性能を向上させた型。開発中。 - ファルコン 2000LXS:
2000LXの離着陸性能向上型。開発中。
- ファルコン 2000EX:
- ファルコン 7X:
ファルコン50/900の形態を踏襲する三発型の最新型。
飛行制御には全面的にフライバイワイヤーを用いている。
また、ファルコンシリーズとして初めてウイングレットを装備した。
*1 これまでは軍で余剰となった弾道ミサイルを転用した物が多かった。
*2 燃料漏れにより、打ち上げ後25秒でエンジン停止。ロケット本体喪失。
*3 第2段エンジンが早期に燃焼停止し、予定の軌道へ到達せず。
*4 1段目の切り離しに失敗。1段目が2段目に追突し、ロケットが破壊された。
*5 元々はRazakSATを予定していた。
*6 商業打ち上げでは初である。
*7 スペース・サービシスが企画したファルコンロケット使用の宇宙葬「エクスプローラーズ・フライト」による。
*8 予定より低い不安定な軌道に投入されてしまい、安定した軌道に上昇させることが断念された。衛星は最低限の運用ののち大気圏に突入した。
*9 カナダ宇宙庁からの受注によるドラゴン宇宙船以外の宇宙機のみを搭載した初の商業ミッション。