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【ビゲン】
SAAB 37 Viggen.
スウェーデンのサーブ社が、ドラケンの後継機として開発した戦闘・攻撃・偵察機。
永世中立国であったスウェーデンでは有事に先制攻撃を受けることが予想されたため、それに耐える抗堪性が重視された。
このため地下壕への収納を考慮して、垂直尾翼が折りたたみ式になっている。
また国中に分散配備するため、自動車用の高速道路を滑走路として使用できるよう考慮され、500メートルの直線道路があれば離着陸できるSTOL性能が要求された。
低速から高い揚力を生じるクローズカップルドデルタ?や、短距離で停止するための逆噴射装置が装備された。
しかしこれらの装備により重量は増加し、主脚?はダブルタイヤとなり、さらには舗装強化された道路でなければ着陸できず、かえって離着陸できる場所が制限される皮肉な結果となってしまった。
多目的戦闘機をうたっているが、実際には任務別に異なる機体を使用する。
- AJ37: 攻撃機。
ビゲンの基本型。自律航法能力や地形追随飛行能力を持つ。
1967年、原型初飛行。
- JA37: 戦闘機。
垂直尾翼を大型化し、エンジンをボルボ?RM8AからRM8Bに強化している。
レーダーはルックダウン能力を持つLMエリクソンDAXとなり、固定武装としてエリコン?KCA30mm機関砲を備える
1977年初飛行。
- SH37: 対艦哨戒機。
機体はAJ37に準ずる。
- SF37: 写真偵察機。
- SK37: 機種転換訓練用の複座型。
優秀ではあるが国情を押し込めたため極端な機体となり、輸出事業には失敗している。
このため後継機のグリペンでは、軽量化・単一機での多用途化・輸出の促進などが課題となった。