【バッジシステム】(ばっじしすてむ)

Base Air Defense Ground Environment(BADGE 自動警戒管制組織).

1960年代に航空自衛隊が採用し、2000年代末まで運用していた防空管制システム。
アメリカ海軍の「海軍戦術情報システム(NTDS)」の改良型「TAWCS」をベースに、ヒューズ社により開発されたもので、アメリカ空軍SAGEに続く、世界で2番目の警戒管制システムでもあった。

SAGEと同様、地上のレーダーサイト早期警戒機*1未確認機を捕らえた後、これらから送信されてきた情報を基に、自動的に目標の高度・速度・予想針路などを大型コンピュータで算出、迎撃が可能な要撃機基地やSAMサイトに対してスクランブルなどの対領空侵犯措置を指示するシステムであった。
システムの中核は東京都・府中基地の「航空総隊作戦指揮所」に置かれており、各航空方面隊に置かれた「防空管制所」「防空指令所」を通じて各部隊とオンライン接続されていた。
また、アメリカ軍のシステムとも連接されており、これにより、NTDSや琉球防空システム、韓国防空システムとも連接されていた。

1980年代に大幅な機能向上の改良がおこなわれて「BADGE改」となったが、2009年に後継の「JADGE(ジャッジ)(Japan Aerospace Defense Ground Environment)システム」に換装されて役目を終えている。


*1 稼働当初は未導入。1976年のベレンコ中尉亡命事件を契機にE-2が導入された。

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