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【ドクターヘリ】 †
Helicopter Emergency Medical Service(英)*1.
救急医療用の機材を搭載し、患者に救命医療を施しながら救急現場から医療機関へ搬送する専用のヘリコプター、またはその機体を使って行われる救急医療活動。
救命医療の措置は、搭乗する医師と看護師により行われる。
わが国では「救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法(ドクターヘリ法)」により運用法などが定められ、順次整備が進められているが、2012年現在、全国で未だ40機前後しか運用されていない*2。
この他、一部の地域では警察や自治体の消防・防災ヘリに緊急時に医師・看護士を搭乗させ、同様の業務に従事させている例もある。
最大の問題は運航費用(年間約2億円という)を捻出する財源の確保であるが、これ以外にも「基地病院内・あるいはその他の病院との間の横の連携」「十分な数の医師の確保」「乗員の養成」「ヘリポート・着陸場の不足」*3「運用時間*4」など、多くの課題を抱えている。
使用される機材 †
主に以下のような機材が用いられている。
*1 なお、「ドクターヘリ」は日本語圏における呼び名であり、海外では通じない。
*2 これに対し、わが国に先駆けて導入したドイツでは73機が運用され、全国どこへでも出動要請から15分以内に到着できる体制が整っているという。
*3 出動先で救急車から患者を乗せる際は、学校の校庭や運動公園のような広い場所を臨時のヘリポートとすることもある(一部には「防災対応離着陸場」とされているところもある)。
しかし、搬送先の病院にヘリポートが備えられてないことが多く、遠距離でも基地病院へとんぼ返りするしかない。
*4 現行では運用可能な時間が日中に限定されていて夜間のフライトができず、必要な時に出動できないことがある。
そのため、警察や消防、海上保安庁や自衛隊のヘリコプターに頼らざるを得ないケースが多数ある。