【デビークロケット】(でびーくろけっと)

1960年にアメリカ軍が採用した、世界に類を見ない戦術核迫撃砲弾。
形式はXM-28・XM-29。

迫撃砲弾と言っても、一般の砲弾のように装薬を用いて飛ばすものではなく、実質はロケット弾である。
発射するときはランチャーにセットして仰角をとり、曲射する。
口径120mmのXM-28と150mmのXM-29の2種類があり、最大射程はXM-28が約2km、XM-29が約4kmである。
弾頭はW54核弾頭(Mk54)を使用する。
当然といえば当然だが、弾頭の威力は小さく(0.25キロトン)、核兵器としては威力は低い。

運用はジープに搭載して移動、発射するときに地面に据え付ける、というような方法を行う予定だったらしいが、結局核兵器だけに最前線の、それも小隊規模で運用するには無理があったようで*1、1971年には総て退役した。


*1 いくら威力が低いとはいえ、場合によっては射手から数百メートル先で核爆発が起きてしまうことになるので、射手自身や周囲の友軍も巻き込んでしまう危険性がある。
  ちなみに150m以内で炸裂すれば即死、400mでもほぼ死亡するレベルの放射線を浴びる事になるとされていた。


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