【チャフ】(ちゃふ)

Chaff(欺瞞紙

ECMのひとつで、敵方のレーダーを欺瞞するための妨害片。
命名は干し草(Chaff)に似た薄い短冊状である事から。
レーダーの黎明である第二次世界大戦で開発され、現代に至るまで最も一般的なレーダー妨害技術である。

アルミニウムやグラスファイバーで作られており、空中で大量に散布して雲を形成する。
航空機と同質の素材であるため、レーダーの走査に対して実際の機体と同様の乱反射を起こす。
結果、レーダーはチャフ雲を金属の塊、つまり航空機であると誤認する。

基本的にはレーダー終端誘導を行うミサイルを回避するためのデコイとして放出される。
大規模な航空作戦ではチャフシップが作戦空域にチャフを散布してレーダー網を使用不能*1にする場合もある。

想定するレーダー波の波長に応じて適切な長さのチャフを使い分ける必要がある*2
現代戦闘機は数十種のチャフを搭載し、ロックオンされているレーダー波に応じて最適なチャフを放出するか、その場で最適な長さに材料を裁断して散布するものもある。

関連:フレア チャフコリドー


*1 大量に散布されると、巨大なノイズがレーダーに映りこんで飛行機との見分けが出来ず、捜索が出来なくなってしまう。
*2 概算として波長の半分程度の長さが良いとされる

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