【ダクテッドファン】(だくてっどふぁん)

Ducted Fan

通風管(ダクト)に空気を送り込むための扇風機(ファン)。「換気扇」。
転じて、円形の枠で囲われたプロペラ。形状の類似性から「換気扇(ダクテッドファン)」と渾名されたものである。

重量が増し、推力効率も悪化するので、特に理由もなくプロペラを枠で囲う事はない。
基本的な用途は衝突事故・異物混入を防止する事で、地上を浮航するホバークラフトでは広範に見られる。
また、生身の民間人に触れる可能性がある模型飛行機やドローンなどにおいても採用例がある。

ヘリコプターのテイルローター

ヘリコプターでは、テイルローター垂直尾翼に埋め込む形式のダクテッドファンが採用される場合がある。

この種のダクテッドファンを、エアバス・ヘリコプターズ社では「フェネストロン」と称して商標登録している。
他社では「ダクテッド・テイル・ローター」または「ファンテール」と呼んでいる事が多い。

これはテイルローターを前進時の気流から隔離し、航行中の抗力を軽減させる機能がある。
また、気流の影響を受けにくい事で振動・騒音を抑制する効果もある。
反面、大きな垂直尾翼を持つ事によってホバリング離陸着陸時の安定性が悪化する。

この設計はアエロスパシアル(現エアバス・ヘリコプターズ)の特許であり、SA341ガゼル以降のアエロスパシアル製ヘリコプターに多く用いられた。
アエロスパシアルの特許が期限切れとなって以降は他社のヘリコプターにおいても見られるようになっている。

oh1duct.jpg
OH-1のダクテッドファン。ブレードを不規則に配置することにより、騒音を低減している。


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