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【スペースデブリ】 †
Space Deblis.
地球の周回軌道を回っている「人工天体」のうち、何らかの意味ある活動を行っていない物体。
「宇宙ゴミ」とも呼ぶ。
一例として、以下のようなものが該当する。
- 故障や運用寿命の終了にともなって地上との交信が途絶えた人工衛星。
1958年3月にアメリカ海軍が打ち上げた「ヴァンガード1号」は、1964年に電波発信が止まって運用終了となったが、いまもなお衛星軌道上に留まっており、最古の人工天体(スペースデブリ)となっている*1。 - 人工衛星打ち上げの際に分離されたロケットの部品。
推進剤を燃やし尽くしたロケットや衛星を覆うカバー、あるいは未燃焼の推進剤など。 - 微細デブリ。
デブリ同士が衝突、破砕することで生成される。 - 有人の宇宙船や人工衛星、宇宙ステーションから誤って宇宙に放出された廃棄物。
宇宙飛行士が船外作業中に誤って落とした手袋や工具、部品、あるいは宇宙飛行士の排泄物など。
これらのスペースデブリは、宇宙開発の進展にともなって年々数が増え、各国の宇宙開発にとっての重大な支障にもなっていることから、対策が急がれている。
デブリは、それ自体が秒速数kmという非常な高速で運動している上、それぞれが異なる軌道で動いているため、回収も制御も非常に難しい。
そして、その運動エネルギーは速度の自乗に比例するため、たとえ微細な破片、あるいはニアミスであっても人工衛星や宇宙ステーション、宇宙船を破壊できるだけの破壊力を持っている*2。
このことから、各国の監視機関が比較的大きなサイズのデブリをカタログに登録して各国共通のデータベースを構築し、常時監視を続けるとともに、有益な人工天体と大きなデブリとのニアミスなどの異常事態に際しては、その人工天体を管理する宇宙開発機関に警報を出すなどの活動を行っている。
こうした活動は「スペースガード」と呼ばれている。
*1 これより先に打ち上げられた旧ソ連の「スプートニク1号」およびアメリカ(運用者は陸軍弾道ミサイル局だった)の「エクスプローラー1号」は既に消滅している。
*2 直径数ミリの破片であっても宇宙船の任務遂行能力に悪影響が及び、センチメートル単位の大きさになると宇宙船を破壊できてしまう。