【スクラムジェット】(すくらむじぇっと)

Supersonic Combustion Ramjet Engine. (SCRamjet Engine)

ラムジェットエンジンの一種で超音速燃焼(Supersonic Combustion)を用いるもの。
ラムジェットエンジンよりさらに高速域(マッハ6〜8以上)での使用が想定されている。

ラムジェットは、流入する空気をインテイク部で亜音速に落とすが、その際に大きな圧力が発生し、摩擦熱も生じる。
高速になるとその問題が大きくなり、エンジンの構造材に強固なものが必要となる。
更に致命的なことには、摩擦熱によって燃焼室の温度が高くなりすぎると、燃料自体が吸熱反応を起こして燃焼することなく分解し、燃焼が維持できない。
よって、マッハ6以上では効率が落ちる。

それらの問題を解決するため、流速の減速量を超音速程度に留めたエンジンがスクラムジェットである。
燃料としては、超音速流内でも燃焼を維持するために、反応速度が速い(燃えやすい)液体水素が考えられている。

酸化剤を持つ必要がなく、比推力ロケットエンジンより遥かに良いために、宇宙往還機等の大気圏内用のエンジンとして有望視されている。

2004年、NASAのスクラムジェット無人試験機「X-43」が12,144km/h(マッハ9.68)を記録し、世界最速の航空機となった。


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