【クラスター爆弾】(くらすたーばくだん)

空中で炸裂して内部に詰め込まれている多数の子弾(サブミュニション)を散布し、子弾がさらに炸裂する事で被害を与える爆弾
ディスペンサー爆弾、集束爆弾とも言う。主に人員、車輌、滑走路等の小型もしくは脆い目標に対して用いられる。
最近では2008年に発生した南オセチア紛争?にてロシア軍がクラスター爆弾を使用している。

主なクラスター爆弾の種類にはCBU-87/B、CBU-97/B、CBU-59(ロックアイII)等がある。第二次世界大戦で使用された「モロトフのパン籠」ことM69収束焼夷弾も、火災をもたらす焼夷弾であるとともに、展開して子弾をばらまくクラスター爆弾としての性質をも有している。
一般的には空爆に使用されるが、多連装ロケットシステムなどの弾頭として設計される場合もある*1
また、子弾を地雷に換装したBLU-91/BやBLU-92/Bが存在するが、これらは対人地雷としてオタワ条約?の規制対象となっている。

クラスター爆弾は従来の爆弾と比べて、以下のような利点と欠点がある。

  • 利点
    • 同じサイズの通常爆弾に比べて数倍以上の面積を制圧できる。
    • 結果、ある面積を爆撃するのに必要な爆撃機の数が減少し、被撃墜数を軽減できる。
    • サイズに比例して内蔵子弾数が増減するため、爆弾架の搭載能力に無駄が生じにくい。
    • 国境線が入り組んでいたり、障壁となる地形が乏しいなどの事情を持つ地域では、対人地雷と同様に戦術上有効である。
  • 欠点
    • 子弾の数が極めて多いため、確率上の問題から多くの不発弾が発生する*2
    • 前述の不発による被害を無視したり、あまつさえ不発弾?地雷代わりにして意図的に狙う場合があるため、地雷同様の非人道的兵器として廃止を訴える働きかけが行われている。

参照)http://strike-eagle.s10.xrea.com/cbu.html

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クラスター爆弾 (CBU-87/B)

関連:オスロ・プロセス? クラスター爆弾に関する条約?


*1 2003年、ヨルダンのアンマンで取材中の日本人新聞記者が、MLRSから散布されたM77クラスターサブミュニションの不発弾を不法に所持・破裂させて死者を出した事件がある
*2 特に、投下用の落下傘などが樹木や建物に引っかかったまま接触信管?が起動しない事が多い

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