【はるしお】(はるしお)

JS Harushio Class.
ゆうしお型の後継として1990年代に建造された、海上自衛隊攻撃潜水艦
うずしお型、ゆうしお型に続く第3世代対潜型潜水艦で海上自衛隊における完全複殻式潜水艦の最終進化形態である。

ゆうしお型の構造を踏襲した改良型で、外見は似ているが、騒音対策、潜行深度、水中運動性、居住性などが改善され、排水量も200tほど増えて2,450tになった。
一方で水中20ktの速力は健在である。
ゆうしおの後期型で装備された水中曳航式ソナー(TASS)は標準装備となり、UGM-8489式魚雷?を発射可能な6門の533mm魚雷発射管を持っているため、攻撃力も非常に高い。

デビュー当時、本艦は通常型潜水艦としては世界最大級の大きさを誇り、搭載する装備は世界最高クラスであるため、航続力を除いた性能はアメリカ海軍の原子力潜水艦にも匹敵すると云われていた。
しかし2000年代に入って以後、本艦を上回る能力を備えたおやしお型そうりゅう型に代替され、2013年3月に最後の1隻となった「わかしお」が除籍。
これにより、本艦型は練習潜水艦に改造された「ふゆしお*1」及び「あさしお*2」を除いてすべて退役となった。

性能諸元

艦種はるしお型攻撃潜水艦
主造船所三菱重工業神戸造船所(SS-583、SS-585、SS-587、SS-589)
川崎造船神戸工場(SS-584、SS-586、SS-588)
排水量
基準/水中)
約2,450t/約3,200t
予備浮力12.2%
全長77.4m
全幅10m
深さ10.5m
喫水7.7m
推進方式ディーゼル・エレクトリック推進
主機関川崎12V25/25S V型12気筒4ストロークディーゼル×2基
主発電機×2基(出力2,840kW)
主電動機×1基(出力3,400ps(水上)/7,200ps(水中))
電源蓄電池×480個
推進器7翔式ハイスキュード・スクリュープロペラ×1軸
出力
(水上/シュノーケル時)
3,100ps/2,700ps
速力
(水上/水中)
12ノット/20ノット
乗員75人(幹部10名+海曹士65名)
船型完全複殻式涙滴型
主兵装HU-603B 533mm水圧式水中発射管×6門
(80式魚雷・89式魚雷、ハープーン対艦ミサイル兼用、合計20発)
C4ISTARZYQ-2B 潜水艦指揮管制装置(SCDS)
ソナーZQQ-5 統合式×1基(1〜3番艦)
ZQQ-5B 統合式×1基(4〜7番艦)
ZQR-1 曳航式
レーダーZPS-6 対水上捜索用
電子戦装備ZLA-7 ECM
その他装備赤外線探知装置、曳航式VHFブイ、衛星通信受信装置など


同型艦

艦番号艦名起工進水就役除籍所属
SS-583はるしお
(JS Harushio)
1987.4.211989.7.261990.7.302009.3.27第1潜水隊群
第5潜水隊
(呉基地)
SS-584なつしお
(JS Natushio)
1988.4.81990.3.201991.3.302010.3.26
SS-585

TSS-3606*3
はやしお
(JS Hayashio)
1988.12.91991.1.171992.3.252011.3.15第1潜水隊群
第3潜水隊

潜水艦教育
訓練隊
第1練習
潜水隊
(呉基地)
SS-586あらしお
(JS Arashio)
1990.1.81992.3.171993.3.172012.3.19第1潜水隊群
第6潜水隊

第3潜水隊
(呉基地)
SS-587わかしお
(JS Wakashio)
1990.12.121993.1.221994.3.12013.3.5第2潜水隊群
第3潜水隊

第6潜水隊

第4潜水隊
(横須賀基地)
SS-588

TSS-3607*4
ふゆしお
(JS Fuyushio)
1991.12.121994.1.221995.3.72015.3.6第1潜水隊群
第6潜水隊

第3潜水隊

潜水艦教育
訓練隊
第1練習
潜水隊
(呉基地)
SS-589

TSS-3601*5
あさしお*6
(JS Asashio)
1992.12.241995.7.121997.3.122017.2.27第2潜水隊群
第6潜水隊
(横須賀基地)

潜水艦教育
訓練隊
第1練習
潜水隊
(呉基地)



*1 その後、2015年3月6日に退役。
*2 2017年3月に退役。
*3 2008.3.7 艦籍変更。
*4 2011.3.15 艦籍変更。
*5 2000.3.9 艦籍変更。
*6 スターリングエンジンなど新装備の試験潜水艦としても運用されていた。

トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS