【はやぶさ】(はやぶさ)

  1. JMSDF Hayabusa(PG-824)
    2000年代に海上自衛隊が整備したミサイル艇(対艦ミサイル搭載哨戒艇)。
    沿岸部における哨戒・海上阻止戦力として設計・建造された。

    当初、半双胴型船型のミサイル哨戒艇として平成11年度予算で計画されたが、1999年(平成11年)3月の北朝鮮による工作船事件により、海上における警察行動に対処できる能力が考慮される*1こととなり、船型を含めた設計計画の変更がなされた。

    ミサイル艇1号」の水中翼船型から、モーターボートのような滑走型船型に変更されているが、ウォータージェット方式は引き続き採用されており、海上における高速域での機動性にも優れている。
    また上部構造物を護衛艦と同様の平面形にしたり、速射砲に平面シールドを施すなど、ステルス性も考慮されたものとなっている。

    【スペックデータ】
    乗員21名
    排水量
    基準/満載
    200t/240t
    全長50.1m
    全幅8.4m
    深さ4.2m
    喫水1.7m
    主機GE IHI LM500-G07ガスタービンエンジン(16,200PS)×3基 2軸推進
    特殊装置ウォータージェットポンプ×3基
    最大速力44kt
    主要兵装OTOメララ社製62口径76mm単装速射砲×1門
    90式SSM連装発射筒×2基
    12.7mm重機関銃M2*2用銃架×各1基(艦橋後部両舷)
    C4IシステムMOF*3システム
    海軍戦術情報システム(OYQ-8B戦術情報処理装置+リンク11
    レーダーOPS-18-3?対水上レーダー×1基
    OPS-20?航海レーダー×1基
    FCSFCS-2-31CFCS
    電子戦装備NOLR-9 ECM
    その他装備OAX-2 赤外線暗視装置
    複合型作業艇(臨検用)
    【同型艦】
    艦番号艦名主造船所起工進水就役所属
    PG-824はやぶさ
    (JMSDF Hayabusa)
    三菱重工業
    下関造船所
    2000.11.92001.6.132002.3.25舞鶴地方隊
    第2ミサイル艇隊
    (舞鶴基地)
    PG-825わかたか
    (JMSDF Wakataka)
    三菱重工業
    下関造船所
    2000.11.92001.9.132002.3.25余市防備隊
    第1ミサイル艇隊
    (余市警備所)
    (大湊地方隊隷下)
    PG-826おおたか
    (JMSDF Ootaka)
    三菱重工業
    下関造船所
    2001.10.22002.5.132003.3.24佐世保地方隊
    第3ミサイル艇隊
    (佐世保基地)
    PG-827くまたか
    (JMSDF Kumataka)
    三菱重工業
    下関造船所
    2001.10.22002.8.22003.3.24余市防備隊
    第1ミサイル艇隊
    PG-828うみたか
    (JMSDF Umitaka)
    三菱重工業
    下関造船所
    2002.10.42003.5.212004.3.24舞鶴地方隊
    第2ミサイル艇隊
    PG-829しらたか
    (JMSDF Shirataka)
    三菱重工業
    下関造船所
    2002.10.42003.8.82004.3.24佐世保地方隊
    第3ミサイル艇隊

    pg826_.jpg
    PG-826 おおたか

    参考リンク:http://weapons-free.masdf.com/sea/japan/hayabusamship.html

  2. JMSDF Hayabusa(PC-308)
    1950年代に建造された海上自衛隊駆潜艇?。同型艦は無い。

    竣工当初、機関はディーゼルエンジンのみであったが、1962年にガスタービンエンジンの搭載工事が行われ、海自初のガスタービン搭載艦艇となった。

    艦橋などはかり?型・かもめ?型駆潜艇と似通った外観となっていたが、高速巡航時の安定を狙い船体幅は広く取られ、凌波性向上のために艦首から艦橋部までの船体に大きなナックルを有していた。
    また、艦橋後部の甲板室にはガスタービン用の大型煙突とその両側にガスタービン用吸気口が、後部甲板室上にはディーゼル主機用の小型煙突がそれぞれ設けられていた。

    1975年に特務艇に改装されて第一線を退き、1987年に除籍・解体された。

    【スペックデータ】
    基準排水量370t
    全長58m
    全幅7.8m
    深さ4.1m
    吃水2m
    機関CODAG方式(9,000馬力)3軸推進
    三井B&W 1222VBU-34V型ディーゼル(2,000馬力)×2基
    三菱MUK-501型ガスタービン(5,000馬力)×1基
    最大速力26ノット
    兵員75名
    兵装Mk.1 40mm連装機関砲×1基
    ヘッジホッグ?投射機×1基
    55式爆雷投射機(Y砲)×2基
    54式爆雷投下軌条×2条

    【同型艦】
    艦番号艦名主造船所起工進水就役除籍備考
    PC-308はやぶさ三菱・長崎1956.5.231956.11.201957.6.101987.2.281975.10.1種別変更
    (特務艇(ASY-91))

  3. 警視庁航空隊が運用しているヘリコプターベル206及びA109)の愛称。
    1号〜5号までの5機が在籍しており、1号〜3号及び5号がベル206、4号がA109に与えられている。

  4. 陸上自衛隊が保有するLR-2連絡・偵察機の愛称。

  5. MUSES-C"Hayabusa".
    文部科学省宇宙開発研究所(ISAS)*4が開発し、2003年5月にミュー5ロケットで打ち上げた小惑星探査機(工学実験探査機)
    前作の「ひてん」「はるか」に続く「MUSES」シリーズ3番目の工学実験機であった。

    イオンエンジンの実証テストを行いながら2005年夏に小惑星「イトカワ」に到達し、その表面を観測してサンプル採集を試みた*5後、2010年6月13日、大気圏に再突入して消滅した。
    この飛行は「地球の重力圏外にある天体の固体表面に着陸し、サンプルリターン*6を成功させた世界初のケース」として内外の話題を集めた。

*1 当時、海自が保有していた高速哨戒艇としては「ミサイル艇1号」型があったが、同型には速度調整が困難であったり、乗員の宿泊設備がないなどの欠陥があり、この任務への対処が難しかった。
*2 武装ではなく、搭載品としての扱い。
*3 Maritime Operation Force System:海上作戦部隊指揮管制支援システム
*4 現在は宇宙航空研究開発機構(JAXA)隷下の一機関となっている。
*5 予定した分量を採取することはできなかったが、収納容器にわずかな微粒子が到達。
  収納容器は本体の大気圏突入前に分離して地上に回収され、解析の結果「イトカワ由来の微粒子が含まれている」ことが判明してミッションの成功が確定した。

*6 宇宙探査機が地球外の天体のサンプルを採集して地球へ持ち帰ること。

トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS