Last-modified: 2022-02-14 (月) 22:53:18 (289d)

【ZSU-23-4】(ぜっとえすゆーにじゅうさんよん)

Зенитная(Zenitnaya) Самоходная(Samokhodnaya) Установка(Ustanovka) 23-4.

ソビエトがZSU-57-2の後継として開発した自走式対空機関砲
愛称は『シルカ』。防空兵器に河川名を用いるソ連の命名規則に従い、アムール川水系のシルカ川から命名された。
正式名称は『自走高射装置』の意で、末尾の数字は23mm機関砲を4門搭載している事を示す。

砲身の冷却機構に欠陥があり、砲身や火器管制装置の故障が多発した。
4門同時に射撃すると砲身焼損やコックオフを避けられないため、緊急時以外は1門か2門のみ用いて射撃された。
この理由から機甲部隊の最前線への投入は忌避され、部隊後方に配置される事が多かった。

2K12「クープ」9K31「ストレラ-1」などの地対空ミサイルを潜り抜けた機体を近距離から仕留める運用が想定される。

第4次中東戦争で実戦投入され、低空侵入したイスラエル国防軍機を多数撃墜している。
また、アフガニスタン紛争?では輸送部隊の護衛に付き、山岳からのアンブッシュを迎撃した。

後継として2K22(2S6)「ツングースカ」が開発されたが、置換は進んでおらず、現在でも現役。
また、イラクなどの中東諸国やアフリカ、北朝鮮などに輸出され運用されている。

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スペックデータ

乗員4名
全長6.53m
全高3.57m(レーダー起立時)
全幅3.12
戦闘重量20.5t
懸架・駆動方式トーションバー
燃料容量250L燃料タンク×2基
エンジンV-6R 4ストローク6気筒液冷ディーゼル(出力280hp/2,000rpm)
APUガスタービン(出力74hp)
登坂力60%
超堤高1.1m
超壕幅2.8m
最大速度65km/h(路上)
行動距離550km
装甲15mm(車体前面)/9.2mm(砲塔前面)
レーダーRPK-2「ヴィユーガ」(NATOコード:B-76「ガンディッシュ」)
兵装2A7(AZP-23"Amur")液冷式23mm機関砲×4門
(弾数2,000発(上部機関砲:各520発、下部機関砲:各480発))
9K38「イグラ」または9K310「イグラ-1」SAM発射機×4基


バリエーション

  • ZSU-23-4:
    1964年に開発された初期量産型。
    量産型とは砲塔前面部の形状が異なる。

  • ZSU-23-4V:
    1968年に開発された量産型。
    電子機器の冷却システムと車内換気システムを改良し、車長用光学照準器を装備している。

  • ZSU-23-4M:
    1977年に開発された発展型。
    レーダーをRPK-2「トーボル」から「ヴィユーガ」に換装、火器管制装置をデジタル化。
    銃身に追加装甲を施された。
    1〜3個の砲塔外付け式弾薬庫により個別に作戦行動を取れるようになった。

    • ZSU-23-4M1:
      1973年に開発された型。
      機関砲を改良型の2A7Mに換装し、冷却水出口を溶接管からフレキシブルパイプに変更、砲身の寿命を3,500発から4,500発に延ばした。

    • ZSU-23-4M3"Biryusa":
      1977年に開発された部分改良型。"Luk"IFFを搭載。
      既存のM型も定期オーバーホールの際にM3型に改良されている。

    • ZSU-23-4M2:
      1987年に開発された近接戦闘能力を重視したモデル。通称「アフガン型」。
      レーダーとレーダー火器管制装置が撤去されて弾薬庫に換装され、搭載弾数は2,000発から4,000発に増加。
      戦車用の夜間暗視装置を搭載した他、1RL133『Credo』地上監視用レーダーのマウントを砲塔右前面に設置。
      アフガン紛争で対ゲリラ戦用途に投入された。

    • ZSU-23-4M4:
      1999年に開発された近代化改修型。
      駆動部を油圧ポンプ式に改良し、センサーと射撃管制装置を近代化。
      近距離地対空ミサイル2基を砲塔上に搭載している。

    • ZSU-23-4M5:
      ベラルーシで開発された改良型。
      センサーと火器管制装置を近代化し、砲塔後部左右に近距離地対空ミサイル連装発射機×2基を搭載している。

  • ZSU-23-4M-A:
    ウクライナで開発された近代化パッケージ。
    "Rokath-AS"レーダーへの換装、レーザーレンジファインダー、イグラ地対空ミサイル発射機の装備が含まれる。

  • ZSU-23-4MP "Biala":
    ポーランドで開発された改良型。
    火器管制装置と照準装置を光学システムに改めた。
    砲塔上右側に国産の「グロム*1地対空ミサイル連装発射機2基を搭載。

  • ZRAK*2 ドネーツィ:
    1999年にウクライナで開発された後継型。
    T-80UDのシャーシにZSU-23-4の砲塔を搭載、ストレラ-10携行SAMの連装発射機を装備した。

  • M1992(仮称、正式名称不明):
    北朝鮮で開発された改良型。機関砲を30mm連装機関砲に換装した。

  • ZSU-23-4"Soheil":
    イランでの改良型。
    "Misagh-2"地対空ミサイル発射機4基を搭載。

  • ZSU-23-4(オランダ):
    Hollandse Signaalapparaten社(現タレス・ネーデルランド社)が1998年にプライベートベンチャーで開発したアップグレードパッケージ。
    レーダー火器管制装置の近代化が主で、ASADS Kaバンド目標追跡レーダーとPAGE Iバンド監視レーダーを装備する。

  • ZSU-23-4(インド):
    インドのBharat Electronics Ltd(BEL)がIAIと共同開発したアップグレード型。
    三次元アクティブフェイズドアレイレーダーやデジタル火器管制システムを装備し、エンジンをキャタピラー社製359BHPディーゼルに換装された。


*1 Grom:雷の意。
*2 ЗЕНИТНЫЙ РАКЕТНО-АРТИЛЛЕРИЙСКИЙ КОМПЛЕКС(防空ロケット(ミサイル)−砲システム)の略。

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