Last-modified: 2016-08-23 (火) 19:10:54 (455d)

【V-22】(ぶいにじゅうに)

Bell Boeing V-22 Osprey(オスプレイ)*1

ベル・ヘリコプター社とボーイング社の共同開発による大型双発ティルトローター機。1989年3月19日に初飛行
飛行機並みの巡航速度を持ちつつヘリコプターのようにホバリングできる統合垂直離着陸機(Joint Multi-Mission Vertical Lift Aircraft :JMVX)。

アメリカ海兵隊強襲任務向けの輸送機として設計されたが、開発が難航。
配線ミスやエンジントラブルによる試作機の墜落事故が相次いだため、安全性について疑問の声も囁かれる。
しかし量産モデルでは安全性が向上しており、2000年以降には機体要因による事故は起こしていない*2

これまでの兵員輸送用ヘリコプターと比べて巡航速度が速すぎるため、運用上の問題が指摘されている。
輸送ヘリコプターを護衛していたAH-1コブラなどの攻撃ヘリコプターはV-22に比べて遅すぎ、同道できない。
一方、戦闘機に追随できるほど速くもないため、ハリアーなどで護衛するにも問題がある。
MV-22自身はハードポイントを持たない設計であるため、MV-22単機で武装するのも難しい。
このため、前線任務における自衛能力の確保は難題である。

また、ホバリング時に急激な降下を試みると揚力が失われて失速を起こすという構造上の欠陥が報告されている*3
緩やかな降下や水平飛行であれば問題ないのだが、これは緊急展開能力を望むアメリカ海兵隊の要求とは微妙に矛盾する。

関連:AW609

参考リンク:
ボーイング社のHP内にあるV-22のHP
http://www.boeing.com/rotorcraft/military/v22/

スペックデータ

乗員4名+兵員24名
全長17.47m(ピトー管含まず)
全高6.63m(VTOL時)
全幅25.54m(ローター含む)
主翼面積35.49屐フラッペロン、中央翼部分を含む左右合計)
ローター直径11.58m
回転円盤面積
(片側)
105.36
空虚重量15,032kg
最大離陸重量23,981kg(垂直離陸時)
27,442kg(短距離離陸時)
エンジンロールスロイスアリソン T406ターボシャフト*4×2基
出力6,150shp×2
最高速度305kt(通常時)
100kt(ヘリモード時)
実用上昇限度7,925m
上昇率11.8m/s
航続距離強襲揚陸時:515nm(953km)
ペイロード4,536kg、垂直離陸:350nm (648km) 以上
ペイロード2,721kg、垂直離陸:700nm (1,295km) 以上
ペイロード4,536kg、短距離離陸:950nm (1,758km) 以上
フェリー航続距離1,940nm (3,593km)(補助燃料タンク使用時)
作戦行動半径(最大)370nm(実用上はそれ以下(300〜325nm))
アビオニクス
レーダーAN/APQ-174レーダー(海軍/空軍型)
AN/APQ-186レーダー(空軍型)
航法装置軽量慣性航法装置(LWINS)
AN/ARN-47 全方位無線標識/計器着陸装置(VOR/ILS)
マーカービーコン装置
OA-8697/ARC/VHF/UHF自動方位測定装置(ADF)
VHF FMホーミングモジュール
AN/APN-194(V) 波高度計
AN/APN-153(V) 戦術航法装置(TACAN)
小型航空機搭載全地球測位システム(MAGR)
赤外線センサAN/AAQ-27A mid-wavelength infrared(MWIR)imaging system
自衛装備AN/AAR-47 ミサイル警報装置
AN/APR-39A レーダー警戒受信機
赤外線警報装置

下記は米空軍型
AN/ALE-47 チャフ/フレア投射装置(CMDS、対抗手段散布装置)
AN/ALQ211 統合型無線周波数対抗手段装置(SIRFC)
AN/AVR-2A0 レーザー探知装置


派生型

  • V-22A:
    初期試作型。墜落事故により凍結。

  • UV-22A:
    アメリカ陸軍向け提案型。
    調達コストが高すぎ、UH-60CH-47を廃するほどの利点もなかったため不採用に終わった。

  • MV-22B:
    アメリカ海兵隊向けの強襲輸送型。360機導入予定。

  • CV-22B:
    アメリカ空軍向けの特殊作戦型。50機導入予定。

  • CMV-22:
    アメリカ海軍向け輸送型。
    他の型より燃料タンクが大型になり航続距離も伸びる予定。
    また、空中給油装置付きの外装燃料タンクを搭載し、艦載機空中給油が可能とされている。
    44機が導入される予定。

  • HV-22B:
    アメリカ海軍向けの戦闘捜索救難特殊作戦艦隊兵站支援型。
    48機導入予定だが、具体的な計画は示されていない。

  • EV-22:
    イギリス海軍が提案・研究している早期警戒機型。
    インド海軍がKa-31早期警戒ヘリコプターの後継として導入を検討している。

    IMG_0039.jpg


*1 Ospreyは鷹の一種である「鶚(みさご)」を意味する。
*2 2010年にはアフガニスタンで横転死亡事故が発生しているが、これは夜間の空間識失調による人的要因と結論づけられている。
*3 2000年にこれが原因で墜落事故を起こしており、対策として急降下警報装置が追加された。
*4 社内名称 AE 1107C-「リバティー」。

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