Last-modified: 2017-07-22 (土) 01:29:59 (63d)

【Tu-95】(てぃーゆうきゅうじゅうご)

旧ソ連のツポレフ設計局が、1950年代にTu-4の後継機として開発・生産した長距離戦略爆撃機
NATOコード名は「Bear(ベア)(熊)」。

冷戦時代に空中給油なしで米本土を直接爆撃できる長距離爆撃機として開発され、1952年11月に初飛行。
1955年の航空記念日にモスクワの「赤の広場」上空を編隊飛行したことで全世界にその存在が明らかにされた。

大きな後退角の主翼が特徴で、4基のターボプロップを低速回転させることにより高速力を得る方式を採用している。
世界最速のプロペラ機であり、設計的に最も成功したプロペラ機の一つとして挙げられる。

最終的に1990年代まで生産が行われ、派生型も含め総生産機数は500機以上である。
海外輸出はされなかったが、インド海軍が派生型である哨戒機型のTu-142Mを導入している。
ソ連/ロシア空軍のほか、ウクライナ空軍、カザフスタン空軍で運用された。

ウクライナ空軍、カザフスタン空軍の保有機は1990年代に全機退役し、ロシア空軍でもTu-95MSと転換訓練機のTu-95H/U以外は退役済み。


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スペックデータ

乗員7名
機長副操縦士航法士航空機関士・兵装担当士官(爆撃手)・無線士尾部銃手
全長49.13m
全高13.3m
全幅50.04m
主翼面積289.9
空虚重量120,000kg
最大離陸重量187,000kg
最大兵装搭載量12,000kg
エンジンKKBMクズネツォフ NK-12MAターボプロップ×4基
推力11,033kW
速度
(最大/巡航)
マッハ0.83/384kt
海面上昇率600m/min
実用上昇限度12,000m/9,100m(兵装満載時)
フェリー航続距離8,100nm(無給油時)
戦闘行動半径3,455nm(無給油時)/4,480nm(空中給油1回)
固定武装NR-23 23mm機関砲(尾部銃座)×1〜2門
兵装
AGM/ASMKh-20(AS-3)
Kh-55(AS-15A)
Kh-65E(AS-15)
Kh-22(AS-4)
Kh-35(AS-20)(Tu-142Mのみ)
各種爆弾FAB-100/-250/-500/-1000通常爆弾
RBK-250/-500クラスター爆弾
TN-700/-1000核爆弾
アビオニクス「ボックス・テイル」レーダーFCS
「オブソール」航法/爆撃レーダー
「トアド・ストール」気象レーダー
RSBN短距離航法システム
「グラウンド・バウンザー」ECMアンテナ
レーダー警戒装置
チャフフレアディスペンサー


派生型

  • Tu-95"ベアA":
    先行生産型。

  • Tu-95M"ベアA":
    初期生産型で自由落下型の通常/核爆弾を主兵装とした通常爆撃機型。
    エンジンは改良型のMK-12Mを搭載。

    • Tu-95A/MA:
      Tu-95及びTu-95Mに核爆弾攻撃用として胴体下面と方向舵を白く塗装したもの。

    • Tu-95V:
      AN602「ツァーリ・ボンバ」大型水素爆弾の投下実験用改修機。
      対衝撃波・放射線・熱線を重点に専用改修を受けた。

    • Tu-95LAL→Tu-119:
      原子力飛行機研究のために原子炉を搭載した原子力推進実験機。

    • Tu-95N:
      RS超音速攻撃機の発射母機。

    • Tu-95MR"ベアE":
      戦術偵察機型。
      爆弾槽にカメラを積み、電子情報収集も行えるようアンテナを増設した。

    • Tu-95U/MU:
      練習機型。
      末期には区別のため胴体後部に赤線を巻いていた。

  • Tu-95K:
    対艦ミサイル搭載能力を付与した対艦攻撃機型。

    • Tu-95K-20"ベアB":
      Kh-20(AS-3「カンガルー」)対艦ミサイル搭載能力付与型。
      ミサイルは胴体下部に半埋込み式に1発搭載できる。
      機首に捜索・誘導用の大きなレーダードームが装備された。

    • Tu-95KD"ベアC":
      K-20型に空中給油ドローグを付与した試作型。

    • Tu-95KM"ベアC":
      KD型の量産型。
      23機が新造され、28機がK型からアップグレードされた。

    • Tu-95K-22"ベアG":
      KM型のKh-22(AS-4「キッチン」)対艦ミサイル搭載能力付与型。
      ミサイルは胴体下部に半埋込み式に1発、左右内翼下に各1発の計3発を搭載可能。
      尾部砲塔が撤去されECM装置に置き換わる等の変更もあった。

    • Tu-95KU:
      戦略兵器削減条約により退役したK型を転換した練習機型。

    • Tu-95M-5:
      先行量産および初期量産型に対艦ミサイル搭載改修型。
      実用化せず。
      両内翼下にKSR-5(AS-6「キングフィッシュ」)対艦ミサイルを1発ずつ搭載した。

  • Tu-95RTs"ベアD":
    海軍向け哨戒機型。
    また、Tu-22/Tu-22Mから発射された対艦ミサイルの中間誘導を行うこともできた。

  • Tu-142:
    海軍向け対潜哨戒機型。
    胴体前部をわずかに延長し、主翼形状の変更と燃料タンクのインテグラルタンク化、フラップの変更などが行われた。
    ベルクート捜索レーダーや電子情報収集機能を搭載。

    • Tu-142M"ベアF":
      対潜探知装備と攻撃装備を搭載した海洋哨戒機型。
      胴体前部をさらに0.3m延長するとともに操縦席天井の高さを増加した。
      また垂直尾翼上端に磁気捜索装置が装備された。

    • Tu-142MK:
      M型の近代化改修型。
      「コルシュ-K」索敵レーダーを搭載。

    • Tu-142MK-E:
      輸出型。インド海軍が使用している。

    • Tu-142MZ"ベアF":
      海軍向け対潜哨戒機型の最終モデル。
      装備の近代化が図られ、潜水艦探知能力も向上した。

  • Tu-142MR:
    潜水艦通信機型。
    空中で胴体下部から長いアンテナを曳航し、潜水艦と司令部の間の通信を中継する。

  • Tu-142MJ"ベアJ":
    潜水艦通信機型。

  • Tu-95MS"ベアH":
    空中発射巡航ミサイル搭載能力を付与したミサイル母機型。旧称Tu-95M-55。
    胴体・主翼などはTu-142Mと同じ設計を使用し、胴体内の爆弾槽に6連装の回転式ランチャーを装備する。
    ミサイルはKh-55もしくはKh-15巡航ミサイルを搭載する。

    • Tu-95MS-6:
      胴体内6連装ランチャーのみを装備している機体を呼び分ける際の呼称。

    • Tu-95MS-16:
      機外搭載ハードポイントを増設した型。
      主翼下4箇所に装備したパイロンに10発の巡航ミサイルを搭載し、計16発を携行できた。
      戦略兵器削減条約により全機がMS-6仕様に変更された。

  • Tu-114「クリート」:
    本機をベースに胴体を改設計した長距離旅客機型。
    約30機がアエロフロートで運用された。

    • Tu-126「Moss(モス)(苔)」:
      Tu-114をベースにした早期警戒機型。


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