Last-modified: 2016-08-30 (火) 18:13:06 (356d)

【Tu-4】(てぃーゆうよん)

Tupolev Tu-4"Bull".

旧ソ連のツポレフ設計局が1940年代後半に開発・生産した四発レシプロ重爆撃機
NATOコード名は「ブル」。
アメリカのB-29から複製されたデッドコピーである。

第二次世界大戦中の1944年、アメリカ陸軍航空隊B-29(ジェネラル・H・H・アーノルドスペシャル、機体記号42-6365)が日本軍との戦闘で被弾してソ連領内に不時着。
重爆撃機を欲しがっていたソ連軍がこれを鹵獲し、ツポレフによって分解され、部品単位で解析・複製された。

このリバースエンジニアリングの過程で、アメリカのヤード・ポンド法とソ連のメートル法の度量衡の違いから換算誤差が発生。
また、当時のソ連の工業技術ではオリジナルと同等の素材・部品を調達する事が不可能な上、技術者の前提知識も十分とは言えなかった*1
このため、複製された本機は原型のB-29に比して500kg以上も機体重量が増加していた。
インテグラルタンクの複製に失敗したため、戦闘行動半径も大幅に低下している。

それでも片道だけならロシアから合衆国本土に到達可能なだけの航続距離があった。
このため、冷戦初期には本機が核兵器を搭載して特別攻撃を行う可能性が真剣に危惧された。

1947年に原型機が初飛行した本機は、各タイプ合わせて400機近くが生産された。
バリエーションには旅客機型の「Tu-70」や、対空監視レーダーを搭載した早期警戒機型などがある。
また、後に生産されたTu-95「ベア」Tu-16「バジャー」も、その機体構造は本機をベースとしている。

関連:B-29 ボーイングスキー

スペックデータ

乗員7名
全長30.18m
全高8.46m
翼幅43.05m
翼面積161.7
空虚重量35,270kg
運用重量46,700kg
最大離陸重量54,500kg/66,000kg(後期型)
最大兵装搭載量爆弾6,000kg(最大8,000kg)
発動機シュベツォフ ASh-73TK 空冷星型18気筒×4基
出力1,790kW(2,400hp)
最大速度558km/h(高度10,250m)
航続距離6,200km/3,000km(爆弾1.5t搭載時)/5,100km(後期型、爆弾2t搭載時)
実用上昇限度11,200m
固定武装12.7mm機銃×10挺/NS-23 23mm機関砲×10挺(後期型)
兵装1,000kg通常爆弾×6発または原子爆弾×1発


派生型

  • Tu-4:
    基本型。

  • Tu-4A:
    核搭載型。

  • Tu-4K:
    KS-1「コメット(AS-1「ケンネル」)」?対艦ミサイル搭載型。

  • 空警1号(KJ-1):
    中国で開発された早期警戒機型。
    エンジンを渦奨6(WJ-6)ターボプロップ(出力4,250shp)に換装し、直径7m、厚さ2mのレーダードームを備えている。捜索範囲は200〜269km。
    1960年に開発が開始され、1970年に初飛行したが、文化大革命?に巻き込まれ、1971年に計画中止となった。
    現在は北京の中国空軍航空博物館?に収蔵されている。

  • 下記はすべて試作のみ。
    • Tu-70:
      民間旅客機型。最大乗客数は72名。

    • Tu-75:
      貨物輸送型。胴体は新設計のものを使用し、胴体後部にはソ連の輸送機では初めてとなるローディングランプを搭載していた。

    • Tu-80:
      戦略爆撃機型。

    • Tu-85:
      戦略爆撃機型。

*1 解析元の機体が何度か被弾していたため、その弾痕や補修痕が忠実に複製されていたという。真偽は定かでない。

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