Last-modified: 2017-03-26 (日) 18:29:00 (240d)

【TH-55】(てぃーえいちごじゅうご)

Hughes TH-55 "Osage(オーセージ)*1"

アメリカ合衆国の航空機メーカー・ヒューズ?社が開発した小型ヘリコプター
アメリカ陸軍航空隊向けの操縦訓練機として開発された。
社内呼称は「ヒューズ269(後にヒューズ300)」。

製造・運用コストの安さを重視し、サイドバイサイド複座*2の軽量簡素な機体にレシプロエンジンを装備している。
メインローターは3枚羽、テイルローターは2枚羽で、テイルブームが細長い棒状になっていることも特徴である。
軽量な機体ではあるが、ランディングスキッドには緩衝装置が着けられている。

安価であるがゆえにアメリカ陸軍にとどまらず、多くの国で軍民問わず多数が使用されている。
日本の陸上自衛隊でも「TH-55J」の名称で採用されていた時期があった。

他のヒューズ?ヘリコプターと同様、一時はマクダネル・ダグラスへ権利売却されたが、間もなく、本機のみ滑空機の製造で知られるシュワイザー社へ転売された。
このため、民間型は「シュワイザー300」と呼ばれるようになる。
現在シュワイザーはシコルスキーの傘下にあり、旧ヒューズ?機としては唯一シコルスキーブランドで販売される機体となっている。

また発展型として、やや大型化して4座のターボシャフト機としてシュワイザー330?が存在する。

スペックデータ

乗員2名
全長8.8m
全高2.4m
主ローター直径7.6m
主ローター旋回面積18.1
空虚重量406kg
全備重量703kg
エンジンライカミング HIO-360-B1A 水平対向エンジン(出力180hp(134kW))×1基
速度
(最高/巡航)
78kts/65kts
航続距離203nm


派生型(カッコ内は生産機数)

  • ヒューズ269(2機):
    ライカミング O-360-A エンジン(180hp)とトラス構造のテールブームを持つ試作機。
    1956年10月に初飛行した。

  • 269A型:
    試作機のトラス構造のテールブームをモノコック構造・アルミニウム製のテールブームに換えた機体。
    エンジンには、オプションで低圧縮比のO-369-C2D、高圧縮比のHO-360-B1B又は燃料噴射式のHIO-360-B1Aが搭載できた。
    また、顧客は複式操縦装置と72Lの予備燃料タンクもオプションで取り付けられた。

  • YHO-2(5機):
    老朽化したOH-13「スー」とOH-23「レイヴン」を代替する観測ヘリコプターの評価用として導入された機体。
    予算不足のため発注されず。

  • TH-55A「オーセージ」(792機):
    アメリカ陸軍の標準練習ヘリコプターに選定された型。
    本機には軍事用無線機と計器が搭載され、1機の実験用TH-55Aにはアリソン 250-C18 ターボシャフトエンジンを装備し、もう1機にはヴァンケル RC 2-60 ロータリーエンジン(185hp)を装備した。
    1964年から1967年にかけてアメリカ陸軍により調達された。

  • TH-55J(38機):
    269A型を川崎重工業ライセンス生産したモデル。
    陸上自衛隊に納入された。

  • 269A-1 "モデル200 ユーティリティ":
    ヒューズ・モデル200として販売された、特別な内装や塗装、サイクリックレバーを装備した型。
    標準の95Lの主燃料タンクの代わりにオプションで114Lのものを取り付けることもできたが、O-369-C2D エンジンを装備することはできなかった。
    ブラジル海軍、スペイン海軍、スウェーデン陸軍で運用されている。

  • モデル200 デラックス:
    ほぼ200型に同じ。

  • 269B "モデル300":
    3座席のコックピットにHIO-360-A1A エンジン(190hp)を装備した型。
    ヒューズ・モデル300として販売され、最初はどの269の派生型にも付けることのできたフロートをオプションで付けることができた。

  • 280U:
    269Bに電気式のクラッチと安定装置を装備した単座の多用途型。
    280Uには農業用機材として散布装置を取り付けることが出来た。

  • 300AG:
    269Bに農業用散布装置を取り付けた専用型。
    胴体の両側面に114L入りの薬剤タンクと10.67mの散布ブームを装備。

  • 300B:
    小型航空機並みの機外騒音に抑えるために静音型テールローター(Quiet Tail Rotor)を269Bに装着した型。
    QTRは1967年6月以降の全生産機に装着され、それ以前の生産機にも組み付けキットとして供給された。

  • 269C "モデル300C":
    300Cはライカミング HIO-360-D1A エンジン(190hp (141 kw))とより直径の大きい主ローター(25 ft 4 inに対し26 ft 10 in)を装備していた。
    増大したローターとエンジン出力のおかげで以前の269型よりも性能は45%向上した。
    ヒューズ社とシュワイザー社の両社で269Cを"モデル 300C"として販売した。

  • NH-300C:
    イタリアの航空機メーカーのブレダナルディ社(BredaNardi?)でライセンス生産された269C。

  • 300C「スカイナイト」:
    モデル 300Cの警察任務用。

  • TH-300C:
    モデル300Cの軍用練習機型。


*1 アメリカ原住民の一種族の名称に由来。
*2 民間用に大型化した300Cでは3座設定も可能。

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