Last-modified: 2021-03-07 (日) 09:12:48 (824d)
【T-64】 †
ソ連が1960年代に開発した主力戦車。
複合装甲、滑腔砲、自動装填装置など多数の新装備を盛り込んでいる。
西側には1985年の戦勝40周年パレードの時に存在が確認され、当初はT-72の先行量産型と思われていた。
主砲は2A21 115mm滑腔砲を装備するが、T-64A以降は2A26 125mm滑腔砲に換装されている。
また、B型からは9M112「コブラ」対戦車ミサイルを運用できる。
同時期に生産されたT-62やT-72に比べ限定的な数(各型合計約12,500輌)しか生産されなかったが、ソ連崩壊後もロシア連邦軍とウクライナ軍とで多数が使用されている。
派生型には改良発展型であるT-80やウクライナのブラートがある。
スペックデータ †
乗員 | 3名 |
全長 | 9.2m |
車体長 | 6.54m |
全高 | 2.2m |
全幅 | 3.4m |
戦闘重量 | 36〜42t |
懸架方式 | トーションバー方式 |
エンジン | 5DTF 2ストローク水平対向ピストン5気筒多燃料液冷ターボチャージド・ディーゼル (出力700hp(522kW)) |
登坂力 | 60% |
超堤高 | 0.8m |
超壕幅 | 2.85m |
最大速度 | 65km 60.5km/h(路上) |
航続距離 | 500km 700km(外部タンク搭載時) |
装甲 | 砲塔前面:防弾鋼150mm+防弾アルミ鋼150mm+防弾鋼40mm複合装甲 車体前面:防弾鋼80mm+グラスファイバー105mm+防弾鋼20mm複合装甲 |
兵装 | 2A21 115mm滑腔砲×1門(T-64) 2A46 125mm滑腔砲×1門(T-64A以降。砲弾36発) NSVT 12.7mm重機関銃×1挺(弾数300発) PKMT 7.62mm機関銃×1挺(弾数1,250発) |
派生型 †
- オブイェークト430:
プロトタイプ。重量36t、装甲120mm。
主砲はD-10T 100mmライフル砲、エンジンは4TPD(出力580hp(427kW))を搭載。
- オブイェークト430U:
122mm砲と160mmの装甲を搭載したもの。計画のみ。
- T-64:
初期生産型。
主砲は2A21(D-68)115mm滑腔砲、エンジンは5TDF(出力700hp)を搭載。
- T-64A:
2A26(D-81T)125mm滑腔砲を搭載する型。
年度により装備の異なるいくつかの派生型が存在する。
- T-64AK:
A型の指揮戦車型。
- T-64R:
T-64をA型仕様に改修した型。
1977年から1981年の間に改修され、部隊配備された。
- T-64AM:
A型の近代化改修型。エンジンは6TD-1(出力1,000hp)を搭載。
- T-64AKM:
AK型の近代化改修型。エンジンはAM型と同様。
- T-64AK:
- T-64B:
2A46 125mm滑腔砲搭載型。
9M112「コブラ」対戦車ミサイルの運用能力を持つ。
- T-64BK:
B型の指揮戦車型。
- T-64B1:
B型の発展型。ミサイルシステムは省略されている。
- T-64B1K:
B1型の指揮戦車型
- T-64BM:
エンジンを5DTF(出力700hp)から6TD-1(出力1,000hp)に換装した出力強化型。
- T-64B1M:
B1型のBM仕様改修型。
- T-64BMK:
BK型のBM仕様改修型。
- T-64B1MK:
B1K型のBM仕様改修型。
- T-64BK:
- T-64BM2:
ウクライナで開発されたT-64Bの近代化改修型。
「コンタークト5」爆発反応装甲やゴム製防禦スカート、1A43U射撃管制装置、6AZ43ローダー、9K119「レフレークス」対戦車ミサイルを装備している。
エンジンは5TDFM(出力850hp)を搭載している。
- T-64BV:
「コンタークト5」爆発反応装甲を装備した防御力向上型。
- T-64B1V:
B1型のBV仕様改修型。
- T-64BVK:
BK型のBV仕様改修型。
- T-64B1VK:
B1K型のBV仕様改修型。
- T-64B1V:
- T-64U:
ウクライナで開発され、1999年から配備が開始されたT-64Bの近代化改修型。
T-84に準じた装備とされ、「コンタークト5」ERA、9K120「スヴィーリ」対戦車ミサイル、1A45「イルトィーシュ」射撃管制装置、TKN-4Sレーダーサイト、PZU-7サイト、TRN-4E「ブラーンE」暗視装置を装備する。
また、エンジンも6TD-1(出力1,000hp)へと換装されている。
- T-64BM「ブラート」:
ウクライナで開発され、2005年から配備が開始されたT-64Bの近代化改修型。
限定的な製造の行われたT-64BM2とT-64Uのうち、最終的に選択された後者の量産型で、T-64BMブラート、BMブラートなどとも呼ばれる。
「コンタークト5」にかわる新しい「ニージュ*1」ERA、1V528-1弾道計算機、1G46M射撃サイト、PZU-7サイト、PNK-5SRオプザヴェーション・サイティングシステムなどを装備する。
エンジンは5TDFM(出力1,000hp)を搭載し、主砲もウクライナ国産のKBA-3に換装されている。