Last-modified: 2017-02-04 (土) 14:07:16 (229d)

【T-38】(てぃーさんじゅうはち)

Northrop T-38"Talon(タロン)*1".

ノースロップ社で開発され、アメリカ空軍ドイツ空軍などで用いられた高等練習機*2
世界初の超音速練習機である。

元は軽戦闘機を目指して開発された機体(社内呼称N-156)だったが、米軍によって軽戦闘機が否定されたため、練習機として開発された。
(ただし後に輸出用戦闘機型のF-5も造られた。)

小型のJ85?ターボジェットを双発で備え、主翼は低翼式のテーパー翼であり、翼面荷重が高いながらも運動性と安定性を兼ね備えている。
また設計初期から高度な信頼性と整備性を考慮に入れられていたため、稼働率が高く、運用コストも安い。
しかし、燃費は良いものの*3機内の燃料タンクが小さくハードポイントもないため、航続距離が短いという弱点を持つ*4
このためT-38のかわりに、増槽を取り付けられるF-5Bを使う国も多い。

「完璧な練習機」とも呼ばれ、1961年から1972年にかけて1,187機が生産された。

パイロットを育成するのに用いられたほか、燃費が安いためオイルショックの時代にはサンダーバーズにも採用された。
また、NASAでは宇宙飛行士の飛行訓練に使われるほか、宇宙ロケットの打ち上げや実験機の試験飛行などを観測する任務など、多岐にわたって活躍している。

なお、アメリカ空軍ホロマン航空基地(ニューメキシコ州)で実施された模擬格闘戦演習でF-22を「撃墜」した事がある*5

スペックデータ

乗員2名
全長14.14m
全高3.92m
全幅7.7m
主翼面積16.0
空虚重量3,270kg
最大離陸重量5,670kg
エンジンGE J85-5A?ターボジェット推力17.1kN(A/B使用時))×2基
最高速度マッハ1.3
上昇率
(海面上)
10,200m/min
実用上昇限度15,240m
航続距離990nm


IMG_1128.jpg


バリエーション(カッコ内は製造・改修機数)

  • YT-38(7機):
    YJ-85エンジンを搭載する原型機。
    • YT-38A:
      評価・試験用の機体。原型機3機を改称。

  • T-38A(1,187機):
    標準の高等練習機型。西ドイツにも輸出された。
    • T-38A(N):
      NASAが使用しているタイプ。
      エアインテークに除氷装置が追加され、VHF無線機やウェザーレーダーが搭載されている。
    • AT-38A(1機):
      武装練習機型。試作のみ。
    • DT-38A(4機):
      米海軍が使用する無人標的機指令機型。
    • GT-38A(15機):
      A型の地上教育任務用。
    • NT-38A(2機):
      米空軍の研究・試験機型。
    • QT-38A:
      無人標的機型。

  • T-38B:
    戦闘練習機型。
    後席下に取り付けられた機体中心線パイロンに訓練弾やガンポッドを搭載できる。
    • AT-38B(115機):
      A型を改修した武装練習機型。

  • T-38C:
    A型の機体寿命延長型。
    アビオニクスの改良で操縦席はグラスコックピット化され、HUDを装備した他、射出座席や足回りの改良、内部構造の補強、エンジンの換装、キャノピーの強化などが行われている。
    • AT-38C:
      武装型の近代化改修型。

  • T-38M:
    トルコ軍での近代化改修型。


*1 (猛禽類の)爪の意味。
*2 一時期は日本の航空自衛隊にも導入が検討されたが、政治的な理由により却下され、国産のT-2が導入された。
*3 ターボジェットは小型のものほど効率が良いという特徴を持つ。
*4 アメリカ国内では基地の近くにある広大な砂漠で練習飛行が出来るため、航続距離に対する要求が緩かった。
*5 模擬格闘戦で「撃墜」に成功したのは、EA-18Gに続いて2機種目となる。

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