Last-modified: 2016-03-11 (金) 19:10:13 (440d)

【T-2(日本)】(てぃーに(にほん))

三菱 T-2.

1970年代、三菱重工など国内航空産業が合同製作した超音速高等練習機
1975年から計96機が引き渡され、一部はブルーインパルスの二代目使用機として改造された。
また、国産初の超音速戦闘機となったF-1支援戦闘機の原型機でもある。

国産初の超音速機で、そのうちの1機がCCV仕様に改造されて飛行するなど、日本の航空機技術の発展に多大な影響を与えた一方で、同時期にフランスで開発されていた「ジャギュア?攻撃機に異様に酷似していたため、ジャギュアのデッドコピーとの噂もあったが、直接の関係は無い。

本機の特徴としては、専用練習機でもあるにかかわらず機関砲FCSが固定装備されていることである。
装備されているのは後期ロットの機体だけで、装備されていない前期ロットの機体には同重量のバラストを積んでいる。

これは、本機を訓練に用いる戦闘機パイロット候補生に超音速機の飛行特性を学習させるのと同時に、戦闘飛行に必要なノウハウを学習させる「教材」とするために採用されたものであるが、こうした機体が採用された背景には、1970年代当時の空自のパイロット養成事情が大きく影響していた。

当時は防衛予算の関係から、パイロットの養成にかけられる費用の制約が他国の空軍に比べて厳しく、養成課程の段階から戦闘飛行の基本を一通り学ばせて「即戦力」としなければならない、という事情があったとされる。
また、当時は「超音速戦闘機のパイロット養成には超音速練習機が必要」と認識されていた面もあったが、実際には、本機を用いていても超音速飛行の機会は希だったため、この認識は必ずしも正しいものではなかった。

実際の運用では、訓練の初期には前期ロットの機体を使い、後期の戦技訓練では後期ロットの機体を使っていた。

本機は主に松島基地?の第21・22飛行隊に配備されていたが、F-2Bの配備に伴い、松島基地では2004年までに全機退役。また、岐阜・築城の両基地に残っていた機体も2006年までに全機退役し、「歴史上の存在」となった*1

t2bi01.jpg


スペックデータ
乗員2名
全長17.85m
全高4.45m
全幅7.88m
主翼面積21.2
空虚重量6,200kg
最大離陸重量11,500kg
エンジンRR/IHI TF40-IHI-801Aターボファン×2基
出力2,320kgf/3,310kgf(A/B使用時)
機体内燃料搭載量3,823リットル
最大速度M1.6
海面上昇率10,700m/min
実用上昇限度15,000m
航続距離
(最大/フェリー時)
1,350nm/1,404nm
戦闘行動半径300nm(対地支援訓練時)
離着陸距離
離陸/着陸
914m/610m
固定武装JM61 20mmバルカン砲×1門(後期型のみ)
兵装翼下および胴体下に訓練用爆弾、増加燃料タンク等を搭載可能。


派生型(カッコ内は生産機数)

  • XT-2(4機):
    試作機。それぞれ前期型と後期型がある。
    (前期型:#101・103、後期型:#102・#104)

  • T-2(前期型):
    武装と火器管制レーダー装置を搭載していない機体。
    俗にT-2Aともいう(#105〜#124、#147〜#156)。

  • T-2(後期型):
    JM61バルカン砲と火器管制レーダー装置を搭載した機体。
    俗にT-2Bともいう(#125〜#146、#157〜#196)。

  • T-2特別仕様:
    支援戦闘機のプロトタイプ機(#106、#107を改修)

  • FS-T2改
    支援戦闘機計画の呼称。

  • F-1(77機)
    量産型支援戦闘機。詳しくはF-1を参照。

  • T-2CCV(1機):
    試作機#103を改造した運動能力向上研究機。
    機首に垂直1枚・水平2枚のカナード翼を取り付けているほか、三菱デジタル・フライバイワイヤーシステムを使用して、動作をコンピューターで補助する機構をもたせている。


*1 本機の退役後、高等訓練課程には実際の戦闘機の複座型(F-15DJF-2B)を用いるようになった。

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