Last-modified: 2017-04-02 (日) 11:52:06 (203d)

【T-1】(てぃーわん)

  1. 富士T-1「初鷹」
    1950年代後半、富士重工業(現在のSUBARU)が設計・開発した国産初のジェット練習機
    また同時に、第二次世界大戦後に日本が初めて製作した実用航空機でもあった。

    航空自衛隊に納入されていた、ノースアメリカンT-6「テキサン」中等練習機の後継機として1955(昭和30)年から開発計画が始まった。
    公募では川崎航空機新明和工業?、富士重工業の3社が案を提示し、選考の結果、富士重工業の案が採用された。
    試作初号機は1958(昭和33)年1月16日に初飛行を行なった。

    当初はエンジンも含めて国産する計画だったが、開発の遅延により納期に間に合わず、試作1号機にはイギリス製の「ブリストル?オーフュースMk.805」を搭載することになった。
    このモデルは「A型」と呼ばれ、46機が生産された。
    後に国産(石川島播磨重工製)の「J3-IHI-7B?ターボジェットを搭載*1した「B型」が登場、こちらは20機が生産された。

    射撃訓練用に機首右下に12.7mm機関銃を装備することが可能である。
    また、有事の際は翼下に空対空ミサイルなどの武装を施し、簡易戦闘機としても運用できるようになっていたが、幸いその機能は一度も使われること無く、後継のT-4へ道を譲って2006年までに全機が退役した。

    スペックデータ
    型式T-1AT-1B
    乗員2名
    全長12.1m
    全高4.1m
    全幅10.5m
    主翼面積22.2
    空虚重量2,767kg2,858kg
    最大離陸重量4,150kg4,355kg
    エンジンターボジェット×1基
    ブリストル・シドレー
    オーフュースMk.805
    推力17.8kN)
    IHI J3-IHI-7B
    (推力13.7kN)
    最大速度マッハ0.8マッハ0.78
    海面上昇率1,980m/min1,588m/min
    実用上昇限度16,155m13,410m
    航続距離
    増槽使用時)
    500nm485nm
    武装固定武装に12.7mm機関銃×1門
    翼下に機銃ポッド、対地ロケット弾×4発、AIM-9AAM×2発、
    340kg爆弾、増槽などを装備可能。

    【派生型(カッコ内は生産機数)】
    • T1F1(2機):
      T-1B原型機。

    • T1F2(6機):
      T-1A原型機。

    • T-1A(46機):
      RR社製オーフュースMk.805エンジン搭載型。2001年退役。

    • T-1B(20機):
      IHI製J3-IHI-7Bエンジン搭載型。A型より燃費が向上している。2006年退役。

    • T-1B-10:
      J3の強化型であるJ3-7エンジンを搭載した型。B型全機改修。

    • T-1 FCS訓練型:
      機首にF-104Jレーダーを搭載した型。計画のみ。

  2. ロッキード T-1(T2V)"SeaStar(シースター)"
    1950年代、アメリカ海軍に導入されたジェット高等練習機
    空軍が用いていたT-33航空母艦で運用できるように改良したものである。
    エンジンの換装やエアインテークの形状変更、垂直尾翼を延長したほか、降着装置の強化や着艦フックの装着が施されている。
    また、「境界層制御」(吹出しフラップ)を採用した最初の実用機でもある。

    1958年の生産終了までに150機が生産されたが、後継としてT-2が配備されたことにより1970年代に退役した。

    スペックデータ
    乗員2名
    全長11.76m
    全高4.1m
    全幅13.0m
    主翼面積22.3
    空虚重量5,427kg
    最大離陸重量7,620kg
    エンジンアリソン J33-A-24またはA-24Aターボファン推力2,770kg)×1基
    速度933km/h(高度10,760m)
    航続距離1,400km
    上昇率1,930m/min
    兵装なし

  3. レイセオンT-1A "Jayhawk(ジェイホーク)"
    アメリカ空軍多発大型機(爆撃機輸送機空中給油機AWACS等)に搭乗するパイロット候補生向けとして使用している練習機
    当初は「T-41」と呼ばれていた。

    元々は、旧ビーチクラフト社が生産していた双発ビジネスジェット機「ビーチジェット400A」の軍用機型「ビーチジェット400T」であるが、更に源流を遡ると、日本の三菱重工がアメリカの現地法人名義で生産していた「MU-300"ダイヤモンド"」に行きつく*2*3

    本機は1994年、母国・日本の航空自衛隊にも輸送機救難機などの乗員を養成する「次期多発機乗員訓練機 (TC-X)」 として、「T-400」の名称で13機が「逆輸入」された。
    日本向けの機体には慣性航法装置スラストリバーサーが追加されている。

    スペックデータ
    乗員2名+乗客9名
    全長14.75m
    全高4.24m
    全幅13.25m
    主翼面積22.43
    空虚重量4,590kg
    最大離陸重量7,300kg
    燃料搭載量2,775リットル(機体内)
    エンジンP&W・C製JT5D-5ターボファン推力12.9kN)2基
    速度
    (最大/長距離巡航時)
    マッハ0.78 / 726km/h
    実用上昇限度13,230m
    航続距離1,674nm
    離着陸距離
    離陸/着陸
    1,160m/1,070m
    兵装なし

    【派生型】
    • MU-300
      三菱で開発された原型機。該当項目を参照。

    • T-1 JAYHAWK:
      軍用向け機体の米空軍呼称。
      TTTS(給油/輸送機訓練システム)用に装備を改修してある。

    • T-400:
      航空自衛隊での呼称。多発大型機操縦士の訓練用に使用される。
      T-1に慣性航法装置スラストリバーサーを追加している。


*1 後には強化型のJ3-IHI-7Bに転換。
*2 三菱が同機の生産・販売権をビーチ社に売却、更にそのビーチ社がレイセオンに吸収合併されて「ホーカー400」として生産・販売された。その経緯についてはMU-300の項を参照のこと。
*3 このため、本機はアメリカ軍に制式採用された外国製航空機の数少ない例の一つともなっている。

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