Last-modified: 2013-07-12 (金) 10:41:29 (1443d)

【Strv.103】(えすてぃあーるぶいひゃくさん)

Stridsvagn (ストリドヴァンゲン)103.

スウェーデン陸軍がかつて配備していた第二世代主力戦車。「Sタンク」の愛称で知られる。
開発はボフォース社が担当し、1960年に試作車両が製作され、1967年に量産開始。1971年までに300両が生産された。
射撃と操縦を一人でこなせる構造になっており、世界で唯一ワンマン(乗員1名)戦闘可能な戦車である。

この戦車の最大の特徴として、砲塔を持っていない事が挙げられる。
これは、スウェーデンの森林面積が広く、起伏も多いという地理的特性を活かして敵の侵攻軍を迎え撃つ、待ち伏せ戦術に特化した(どちらかといえば戦車駆逐車に近い)コンセプトで設計されたためである。*1
主砲はL74 62口径105mmライフル砲を車体に固定する形で装備し*2、副武装にはKsp58 7.62mm機関銃を装備する。
車体ごと砲を動かすため、超信地旋回の性能が高く、照準も兼ねて姿勢制御可能な油気圧懸架を採用している。
また、エンジンは巡航用のロールスロイス K60ディーゼルエンジン(出力240hp)に加え、ダッシュ用のボーイング502ガスタービンエンジン(出力300hp)を搭載している。

改修も行われ、浮航用のフロート・スクリーンとドーザーブレードを装着できるようにしたB型やエンジンの換装や生残性の向上を図ったC型が開発されたが、行進間射撃が出来ないなどの問題も多く、後継としてStrv121及びStrv122が導入され退役した。

スペックデータ

製造ボフォース社
乗員3名
全長8.99m
車体長7.04m
全幅3.60m(B型)
3.80m(C型)
全高2.43m
戦闘重量39.7t(B型)
42.5t(C型)
懸架方式トーションビーム
エンジンStrv.103B:
ロールスロイス K60ディーゼル(出力240hp)
ボーイング 502ガスタービン(出力490hp)

Strv.103B:
ロールスロイス K60ディーゼル(出力240hp)
キャタピラ 553ガスタービン(出力490hp)

Strv.103C:
デトロイトディーゼル 6V53T V型6気筒液冷ターボチャージドディーゼル(出力290hp)
キャタピラ 553ガスタービン(出力490hp)
登坂力60%
超堤高0.9m
超壕幅2.3m
最大速度
(路上/水上)
50km/h / 6km/h
行動距離390km
兵装ロイヤル・オードナンスL74 62口径105mmライフル砲×1門
Ksp.58 7.62mm機関銃×3挺(固定×2挺、対空×1挺)
照明弾連装発射器×1基


派生型

  • Strv.103A:
    初期生産型。

  • Strv.103B:
    排土板と水上浮上航行用の防水スクリーンの展開装置が標準装備された型。
    A型にも順次装備された。

  • Strv.103C:
    近代化改修型。
    砲手用照準器のレーザー測遠機をSIMRAD社製のNd-YAGレーザー測遠機に変更し、射撃統制コンピュータをセンチュリオン?中戦車の改良型と同じものに換装している。
    また、エンジンをデトロイト・ディーゼル製の6V53Tに換装し、車体前端に対HEAT弾用の柵状装甲を装備している。

  • Strv.103D:
    C型の改修型。
    運用ソフトウエアを新規更新し、全天候対応型サーモグラフィー式暗視装置を搭載した。
    試作のみ。


*1 ちなみに、本車と同時期に開発が進められていた日本の74式戦車も、(砲塔こそ残されたものの)そのコンセプトは類似している。
*2 これにより、砲関係装備を省略できることと砲が動かないことで自動装填装置が採用し易く、それによって発射速度の向上と装填手が廃止でき、車体の小型化が可能となるのである。

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