Last-modified: 2022-11-13 (日) 00:51:56 (14d)

【Strv.103】(えすてぃあーるぶいひゃくさん)

Stridsvagn (ストリッツヴァグン)103.

スウェーデン陸軍がかつて配備していた第2世代主力戦車
当時の主力戦車であったセンチュリオン?(Strv.81/101/102/104)の後継として開発された。
開発はボフォース社が担当し、1960年に試作車両が製作され、1967年に量産開始。1971年までに300両を生産。
1990年代末までに第3世代主力戦車Strv121(レオパルト2A4)/Strv122(レオパルト2A4改)へと更新されて退役済み。

スウェーデン国内の地勢を念頭に置いた設計で、森林や丘陵で待ち伏せを行う事を想定する。
仮想敵であるソビエト陸軍に数で劣るため、防御戦闘における遅滞戦術に特化した戦車駆逐車的なドクトリンで運用される。

乗員は3名。車体右側に車長の席・左側に操縦士の席・後方に通信士の席を置く。
車長席と操縦士席にそれぞれ一対ずつ操縦系と火器管制装置があり、後方の通信士席にも操縦系を持つ。
これによって乗員全員が操縦士を兼任できるようになっており、乗員1名のみでも操縦が可能。

これは乗員の誰かが死傷した場合でも応戦・撤退を可能とするためのもので、普段から1人で運用する事を想定したものではない。
万全な状態であれば車長・操縦士・通信士の3名が役割分担して運用する。

設計思想上の最大の特徴は、砲塔を持たず、主砲を車体に直接固定している点。
砲塔を持たない事で前面投影面積を減らすと共に内部の空間を確保し、その空洞に自動装填装置を搭載して装填手を廃止している。
(自動装填装置が故障した場合は通信士が装填を行う)

エンジンは巡航用のディーゼルエンジンに加え、戦闘時の加速用にガスタービンを搭載。
車体ごと砲を動かす前提のため超信地旋回性能が高く、照準も兼ねて姿勢制御可能な油気圧懸架を採用している。

なお、この構造のため行進間射撃が事実上不可能。
これは開発当時の基準では許容範囲内の欠点だったが、ベトロニクス対戦車ミサイルの進歩によって致命的な弱点となっていった。

スペックデータ

製造ボフォース社
乗員3名
全長8.99m
車体長7.04m
全幅3.60m(B型)
3.80m(C型)
全高2.43m
戦闘重量39.7t(B型)
42.5t(C型)
懸架方式トーションビーム
エンジンStrv.103A:
ロールスロイス K60 2ストローク直列6気筒液冷ディーゼル(出力240hp)
ボーイング 502-10MAガスタービン(出力300hp)

Strv.103B:
ロールスロイス K60 2ストローク直列6気筒液冷ディーゼル(出力240hp)
キャタピラ 553ガスタービン(出力490hp)

Strv.103C:
デトロイトディーゼル 6V53T 2ストロークV型6気筒液冷ターボチャージドディーゼル
(出力290hp)
キャタピラ 553ガスタービン(出力490hp)
変速機Strv.103A/B:
ボルボ社製ダブルディファレンシャル+トルクコンバータ複合型自動変速機
(前進2段/後進2段)

Strv.103C:
ボフォース社製自動変速機(前進3段/後進3段)
登坂力60%
超堤高0.9m
超壕幅2.3m
最大速度
(路上/水上)
50km/h / 6km/h
行動距離390km
兵装ロイヤル・オードナンスL74 62口径105mmライフル砲×1門(装弾数50発)
Ksp.58 7.62mm機関銃×3挺(固定×2挺、対空×1挺)
「リラン」照明弾連装発射器×1基(C型)
砲弾APDS:25発、HE:20発、発煙弾:5発
装甲前面(上部/下部):60mm/55mm
上面(前部/後部):25mm/20mm
側面(最上部/上部/下部):20mm/50mm/38mm
後面(上部/下部):50mm/30mm
底面:15mm


派生型

  • Strv.103A:
    初期生産型。前照灯の形状がそれ以後のものとは異なっている。
    B型の生産開始後はB型仕様に改修された。

  • Strv.103B:
    追加生産型。
    排土板と水上浮上航行用の防水スクリーンの展開装置が標準装備となった。
    A型にも順次装備された。

  • Strv.103C:
    A/B型の近代化改修型。
    砲手用照準器のレーザー測遠機をSIMRAD社製のNd-YAGレーザー測遠機に変更。
    射撃統制コンピュータをセンチュリオン?中戦車の改良型と同じものに換装。
    エンジンをデトロイト・ディーゼル製の6V53Tに換装。
    車体側面に増加燃料タンク兼用のサイドスカート、車体前端に対HEAT弾用のスラット装甲を装備。

  • Strv.103D:
    C型の改修型。
    運用ソフトウエアを新規更新し、全天候対応型サーモグラフィー式暗視装置を搭載した。
    試作のみ。

  • Lvkv VEAK 40:
    (Lvkv:Luftvärns artilleri kanonvagn、対空砲兵自走砲
    (Veak:Vagn, Eldledning, Automat Kanon、射撃管制装置機関砲搭載自走砲)

    Strv.103のエンジンおよびトランスミッションと走行装置を流用した車体を持つ自走対空砲型。
    車体後半部にボフォース 40mm連装機関砲と対空レーダーを装備した多面体構成の大型回転砲塔を搭載している。
    試作のみ。

  • Strv.2000:
    同コンセプトを発展させた車両。
    重量55t、自動装填装置付140mm滑腔砲および40mm機関砲を装備する。
    コスト面から1994年に計画中止。


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