【SWAT】 †
Special Weapons And Tactics(特殊火器戦術)
元々は「Special Weapon Attack Team(特殊火器攻撃隊)」であったが、「軍隊的」との批判を受けて現在の名称に改められた。
ただしこれは政治的判断であって、必ずしも「Tactics」が「Attack Team」に比して非軍隊的な用語である事を意味しない。
アメリカ合衆国の各警察に設置されている警察特殊部隊。
「SWAT」の命名は、最初に編成されたロサンゼルス市警の部隊に倣っての慣例である。
ニューヨーク市警での「ESU」(Emergency Service Unit, 緊急対処課)など、地域によって別名で呼ばれる場合もある。
1966年のテキサスタワー乱射事件を契機として、銃火器などを使用する凶悪犯罪に対処するために設立された。
軍の特殊部隊から様々な訓練法が引用され、市街地・野外での白兵戦に対応できるよう訓練されている。
1個分隊は5名編成で、突入班、狙撃・監視班、交渉班などの役割に分かれている。
短機関銃・散弾銃など一般警察官以上の重武装はしているが、犯人は逮捕するのが原則。
犯人を射殺した場合、裁判所で法的正当性が(対処した事案とは別個に)審議される。
実際のところ、SWATに出動要請がかかるような事件の大半は交渉によって解決する。
隊員自身が「SWATは『座って待って駄弁ってる(Sit,Wait,And Talking)』の略だ」と揶揄した事もある。
とはいえ、SWATに射殺されるかもしれないという危惧は、犯人との交渉においても強力な抑止力として機能する。
この部隊の本来の任務は凶悪犯罪への対処であり、組織テロへの対処ではない。
テロ事件に際してはFBIの特殊部隊「HRT(Hostage Rescue Team)」か、もしくは軍隊(連邦政府直轄軍もしくは州兵)の管轄に移る。
しかし、報道やフィクションではしばしばSWATが対テロ特殊部隊と混同される傾向にある。
関連:CQB 特殊捜査班