Last-modified: 2022-11-06 (日) 19:23:18 (26d)

【SR-71】(えすあーるななじゅういち)

Lockheed SR-71 "Blackbird(ブラックバード)".

ロッキード社の技術開発チーム「スカンクワークス」が開発した超音速偵察機
ゲーリー・パワーズ事件におけるU-2撃墜を受けて、U-2の後継として開発された。

世界最速の有人実用機であり、NASA実験機としても運用されていた(現在は運用終了)。

先にCIAの肝いりで極秘裏に開発された超高速偵察機・A-12を、戦略空軍(現:地球規模攻撃軍団)向けに偵察機材を拡大、複座化した機体である。
本来の機体命名法では「RS-71」となる筈が、大統領の公式発表時、原稿の読み間違いで「SR-71」となった経緯がある。
RSとは"Reconnaissance Strike"(偵察・攻撃)の頭文字で、大統領が間違って読み上げた"SR"は"Strategic Reconnaissance"(戦略偵察)とこじつけられた。

本機は、高度25,000mでマッハ3.3を維持しつつ5,000kmを飛行することが可能であった。
戦闘機でも地対空ミサイルでも追随不能とされ、退役するまで一切の被撃墜を経験していない。

原型機A-12には被弾した経歴があるため、撃墜されなかったのは冷戦末期という戦略環境ゆえの偶然かもしれない。
危険な任務を避けて機体を温存していた、あるいは単に使い勝手が悪くて兵站上の理由で使用を避けられていたという説もある。

特殊な燃料と、それに対応する専用空中給油機KC-135Q)を要求するなど、全体にコストが高い。
このため、偵察衛星の普及による需要低下に伴って1990年までに全機が退役。
後継機種としてU-2が現役復帰している。

湾岸戦争勃発当初には情報の即時性が重要視され、復帰させる計画があったが結局は実現していない。

IMG_5278.jpg


関連:SR-72?

スペックデータ

A-12
乗員1名
ペイロード偵察機材:1,100kg
全長30.96m
全高5.64m
翼幅16.94m
主翼面積170
最大離陸重量53,070kg
最大着陸重量24,000kg
燃料容量40,088リットル
エンジンP&W J58-1(JT11D-20B)A/B付きターボジェット×2基
エンジン推力91kN(20,500lbf)(ドライ
145kN(32,500lbf)(アフターバーナー
最高速度マッハ3.35
超音速巡航速度マッハ3.1
航続距離4,600km
実用上昇限度26,000m以上
上昇率60m/s
翼面荷重320kg/
推力重量比0.56


YF-12A
乗員2名(パイロット1名、火器管制士官(FCO)1名)
全長30.97m
全高5.64m
翼幅16.95m
主翼面積167
アスペクト比1.7
空虚重量27,604kg
総重量56,200kg
最大離陸重量63,504kg
エンジンP&W J58(JT11D-20A)A/B付きターボジェット×2基
(コンプレッサーブリードバイパス付き)
エンジン推力91kN(20,500lbf)(ドライ
140kN(31,500lbf)(アフターバーナー
最高速度マッハ3.35
3,661km/h(高度24,000m)
戦闘行動半径4,800km
実用上昇限度27,400m
上昇率60m/s
推力重量比0.44
兵装AIM-47A「ファルコン」AAM×3発(機体内ベイに搭載)
アビオニクスHughes AN/ASG-18 ルックダウン/シュートダウン火器管制レーダー


SR-71A
乗員2名(パイロット1名、偵察システム士官(RSO)1名)
全長32.74m
全高5.64m
翼幅16.94m
主翼面積170
アスペクト比1.7
空虚重量30,617kg
最大離陸重量52,520kg
燃料容量46,255リットル
エンジンP&W J58?(JT11D-20JまたはJT11D-20K)A/B付きターボジェット×2基
エンジン推力110kN(25,000lbf)
JT11D-20J:144.57kN(32,500lbf)(ウエット時)
JT11D-20K:151.24kN(34,000lbf)(ウエット時)
最高速度3,540km/h(高度24,000m)
マッハ3.3
フェリー航続距離5,230km
実用上昇限度26,000m
上昇率60m/s
翼面荷重410kg/
推力重量比0.44
兵装Itek KA-102A 910〜1,220mm偵察カメラ
機体各所にSIGINT機器一式

派生型

  • A-12系
    • A-12:
      SR-71の基礎となった超高速偵察機型。

    • A-12B:
      A-12の複座練習機型。

    • B-12:
      A-12の爆撃機型。不採用。

    • RB-12:
      A-12の偵察爆撃機型。不採用。

    • AF-12:
      長距離迎撃戦闘機型。後にYF-12Aに改称。

    • YF-12A:
      A-11とも呼ばれる、複座の長距離迎撃戦闘機型。空対空ミサイルを搭載。

    • YF-12B:
      YF-12Aの量産型。不採用。

    • YF-12C:
      NASAに貸与されたSR-71A (機体番号64-17951) に与えられた名称。
      空軍制式名ではない。

    • M-21:
      無人偵察機D-21の母機として設計。複座。

  • SR-71系
    • R-12:
      A-12の偵察型でSR-71の原型。

    • SR-71A:
      29機製造。

    • SR-71A/BT:
      SR-71A (機体番号64-17959) のテイルコーンを2.44m延長したテスト機。
      BTはビッグテイルの略。

    • SR-71B:
      SR-71Aを改造した複座型練習機。2機製造。

    • SR-71C:
      複座型練習機。1機のみ製造(機体番号64-17981)。
      事故を起こしたYF-12Aの後部(機体番号60-6934)とSR-71Aの地上静態試験機の前部胴体を組み合わせたもの。
      高速度領域で操縦桿中央で直進しないという欠陥を生じたために、乗員からは不評であり、長くは使用されなかった。

    • B-71:
      SR-71の爆撃機型。不採用。


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