Last-modified: 2016-05-20 (金) 19:44:36 (459d)

【SB2C】(えすびーにしー)

Curtiss SB2C Helldiver(ヘルダイバー)*1

カーチス社SBD「ドーントレス」の後継として開発したアメリカ海軍艦上爆撃機
原型機の初飛行は1940年12月で、1943年11月から実戦投入された。

小型空母(軽空母護衛空母)での運用を可能にするため胴体が短く、また空冷エンジンの搭載もあって非常にずんぐりした外観で、コックピットは胴体にめり込むように垂直尾翼の近くまで来ていた。

航続距離や最大速度、搭載量こそSBDを上回っていたものの、機体構造は貧弱で、航空母艦エレベーターに収めるために無理やりに機体後半部を切り詰めた設計にしたことと、性能より生産性を重視した仕様の為、致命的な程に安定性が悪く、2,000馬力級エンジンから発生するトルクも相まって、米海軍で最も離着艦の難しい艦上機となってしまった。
逐次改修されたものの、兵士たちから「Son of a Bitch 2nd Class(二流のろくでなし)の略だ」などと陰口を叩かれる程で、基礎設計に起因する欠陥は最後まで改良できなかった。

しかし、他に適当な機体がなかったこともあって、太平洋戦争後期に太平洋各地や日本本土への空襲のほか、日本艦船を多数撃沈する活躍をみせ*2、最終的に7,000機を越える生産がされた。
ギリシャ・タイ・イタリアにも供与され、1950年代半ばまで活躍した。

関連:急降下爆撃機

スペックデータ

乗員2名
全長11.18m
全高4.01m
全幅15.16m
主翼面積39.20
自重4,784kg
最大重量7,540kg
発動機ライトR-2600-20「サイクロン14」空冷星形複列14気筒(出力1,900馬力)×1基
速度
(高度5,090m/巡航)
475km/h / 254km/h
上昇限度8,870m
航続距離1,875km
固定武装ブローニングM2 12.7mm固定機銃×2門(XSB2C-1)
20mm固定機銃×2門、ブローニングM1919 7.62mm旋回機銃×2門
爆装・雷装2,000lb爆弾×1発
500lb爆弾×2発
HVAR 5インチ(127mm)ロケット弾×8発
Mk13-2航空魚雷×1発


派生型(カッコ内は生産機数)

  • XSB2C-1:
    R-2600-8エンジン(出力1,700hp)を搭載する原型機。社内呼称Model 84。

  • SB2C-1(200機):
    アメリカ海軍向けの初期生産型。
    垂直尾翼が大きくなり、胴体が延長された。
    固定武装として12.7mm機銃4挺を主翼内に搭載する。

  • A-25A「シュライク*3」(410機):
    米陸軍向け機体の呼称。
    大半は海軍向けに改修して海軍及び海兵隊へ納入された。

  • SB2C-1A:
    A-25「シュライク」のアメリカ海軍での呼称。

  • SB2C-1C(778機):
    主翼内搭載機銃を12.7mm機銃4門から20mm機関砲2門に、フラップを油圧式に変更した機体。

  • XSB2C-2(1機):
    SB2C-1に双フロートを装備した、試作長距離水上機の原型機。

  • XSB2C-3:
    R-2600-20エンジン(出力1,900hp)を搭載する試作機。

  • SB2C-3(1,112機):
    XSB2C-3の生産型。
    プロペラを4翅に変更しているが、プロペラスピナーを装備していない。
    無線機や酸素供給装置も新型に変更している。

  • SB2C-3E:
    AN/APS-4レーダーを搭載した型。

  • SB2C-4(2,045機):
    主要生産型。
    主翼下にロケット弾または爆弾搭載用の搭載架を追加した。
    また、プロペラスピナーを装備し、ダイブブレーキを穴空き式、着艦フックを外装式へ変更している。

  • SB2C-4E:
    SB2C-4にAN/APS-4夜戦用レーダーを装備した機体。

  • XSB2C-5(1機):
    試作型。

  • SB2C-5(970機):
    最終生産型。
    燃料搭載量が増加し、フレームレスのスライド式キャノピーを装備した他、着艦フックの位置を変更している。
    プロペラスピナーは装備していない。

  • SB2C-5E:
    AN/APS-4レーダーを搭載した型。

  • XSB2C-6(2機):
    試作型。
    燃料搭載量を増加したほか、エンジンをR-2600-22(出力2,100hp)に変更している。
    生産されず。

  • SBF-1(50機):
    フェアチャイルド社で製造されたSB2C-1C相当の機体。

  • SBF-3(150機):
    フェアチャイルド社で製造されたSB2C-3相当の機体。

  • SBF-4E(100機):
    フェアチャイルド社で製造されたSB2C-4E相当の機体。

  • SBW-1(38機):
    カナディアン・カー&ファウンドリー社で生産されたSB2C-1C相当の機体。

  • SBW-1B:
    カナディアン・カー&ファウンドリー社がSBW-1を英国へのレンドリース用として生産したもの。
    英国海軍では"Helldiver Mk.I"と呼称されたが、実戦には参加しなかった。

  • SBW-3(413機):
    カナディアン・カー&ファウンドリー社で生産されたSB2C-3相当の機体。

  • SBW-4E(270機):
    カナディアン・カー&ファウンドリー社で生産されたSB2C-4E相当の機体。

  • SBW-5:
    カナディアン・カー&ファウンドリー社で生産されたSB2C-5相当の機体。


*1 カイツブリの意。もしくは、急降下爆撃機の形容詞。
*2 大きな活躍と言えば坊の岬沖海戦の戦艦大和への攻撃が挙げられる。
*3 Shrike:モズ科の鳥の総称。

トップ 編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS