Last-modified: 2014-01-24 (金) 12:23:36 (1308d)

【SA-8】(えすえーはち)

ソ連軍が開発した全天候型自走式短射程地対空ミサイル
本家ロシアでは9K33「オサー*1」、NATOコードではSA-8「ゲッコー」と呼ばれる。
開発は1960年から開始され、1972年から量産化が開始。翌年にソ連陸軍への部隊配備が開始された。
一般公開されたのは、1975年のモスクワの赤の広場?開催された年次パレードである。
SA-8は、BAZ-5937 6×6シャーシを台車としており、車体中央部の全周式ターレットに一体化した発射装置と管制装置が搭載されている。
車両は水陸両用でNBC兵器防護対策もされている。

能力的にはそれまでの従来のソ連製自走地対空ミサイルと違い、完全な自立機能をそなえており、単独でレーダーによる索敵・追尾・交戦が出来る。
ミサイルは初期は4発・後期は6発(コンテナ入り)搭載、誘導方式は赤外線誘導で前方からの攻撃もでき、ランチャーは360°回転可能。
レーダーの索敵距離は25Kmで、ミサイルでの最大交戦距離は10kmである。なお、別車両のロング・トラック索敵レーダー搭載車や、シン・スキンB測高レーダー搭載車とリンクさせることにより索敵距離はさらに延びる。
予備弾は搭載せず、同じBAZ-5937を基に開発したTZM補給車両(ミサイル32発を搭載)を使用する。

輸出は旧ソ連をはじめ、ポーランド・アンゴラ・イラク・インド・リビア等多数の国に輸出され、最近では1992年にギリシャが12両購入している。
1998年に生産終了したが、現在でもロシア陸軍で使用されている。

実戦ではレバノン侵攻?で初めて使用され、シリア軍はイスラエル軍RF-4Eファントム2を1機撃墜し、アンゴラ軍は南アフリカ軍?との紛争でAM-3を1機撃墜している。
湾岸戦争ではイラク軍?アメリカ軍のトマホーク巡航ミサイル撃墜したと言う不確定情報も有る。
しかしECM対処能力が弱いせいか実戦で発射したミサイルは殆ど命中せず、逆に対レーダーミサイル等で多数が撃破された。
また、最近では南オセチア紛争?でロシア陸軍とグルジア陸軍の双方が使用した。

関連:SA-9

SA-8 1.jpg
SA-8 2.jpg

Photo:Ukraine Department of Defense

スペックデータ

BAZ-5937 自走発射機
乗員5名
全長9.14m
全高4.2m
全幅2.8m
エンジン5D20B-300 ディーゼルエンジン(出力300hp)
最大速度60km/h(路上)
行動距離500km
装甲なし
携行弾数6発(予備弾なし)
兵装3連装9M33対空ミサイル発射機×2基


9M33ミサイル
全長3.15m
直径21cm
翼幅64cm
発射重量130kg
飛翔速度マッハ2.4
有効迎撃高度25〜5,000m
有効射程1,600〜12,000m
推進方式固燃ロケットモーター
弾頭HE 破片効果(19kg)
誘導方式アクティブレーダー誘導

主なバリエーション

  • 9K33「オサー」(SA-8):
    基本型。

  • 9K33M2「オサーAK」(SA-8Bゲッコー Mod0):
    低高度目標(主にヘリコプター)対処能力が向上し、ミサイル発射筒が密閉型になった型。
    1975年から量産化された。

  • 9K33M3「オサーAKM」(SA-8Bゲッコー Mod1):
    低高度目標(主に無人機)対処能力がさらに向上し、電波妨害対策として有線誘導のミサイルが発射できるようになった型。

  • 4K33「オサーM」(SA-N-4 ゲッコー):
    個艦防空用艦対空ミサイル型。
    セミアクティブレーダー誘導で射程も15劼反びている。
    ロシア海軍の各種艦艇に装備されている。
    発射機は油圧昇降式で、ZIF-122連装発射機を使用する。
    管制及び誘導は、MPZ-301 Baza(NATOコード「ポップ・グループ(Pop Group)」)射撃指揮装置を使用する。
    • 4K33M「オサー2M」:
      9K33M3または9K33M5ミサイル使用する型。
    • 4K33M「オサーMA」:
      9M33Mミサイルを使用する型。


*1 Оса:ロシア語でスズメバチの意。

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