Last-modified: 2017-09-27 (水) 20:12:08 (25d)

【SA-8】(えすえーはち)

ソ連軍が開発した全天候型自走式短射程地対空ミサイル
ロシアでの型式は9K33、愛称「オサー*1」。NATOコードはSA-8「ゲッコー」。

開発は1960年から開始され、1972年から量産化が開始。翌年にソ連陸軍への部隊配備が開始された。
一般公開されたのは、1975年のモスクワの赤の広場?で開催された年次パレードである。

BAZ-5937 6×6トラックの車体に、360°回転可能な全周式ターレットを装備。発射筒・火器管制装置はターレットと一体化している。
車両は水陸両用でNBC兵器防護対策もされている。
予備弾は搭載せず、同じBAZ-5937を基に開発したTZM補給車両(ミサイル32発を搭載)を使用する。

ソ連製の自走地対空ミサイルとして始めてアクティブレーダー誘導を採用し、撃ちっ放し能力を獲得。
車載レーダーが25kmの索敵距離を有するが、実戦ではデータリンクによる情報共有を想定する。弾体そのものの有効射程は10km。

旧ソ連をはじめ、ポーランド・アンゴラ・イラク・インド・リビア等多数の国に輸出され、最近では1992年にギリシャが12両購入している。
1998年に生産終了したが、現在でもロシア陸軍で使用されている。

実戦ではレバノン侵攻?で初めて使用され、シリア軍はイスラエル軍RF-4Eファントム2を1機撃墜
アンゴラ軍が南アフリカ軍?との紛争でAM-3を1機撃墜している。
湾岸戦争ではイラク軍?が使用してトマホーク巡航ミサイル撃墜したという報告もあるが真偽不明。
また、最近では南オセチア紛争?でロシア陸軍とグルジア陸軍の双方が使用した。

なお、ECCM性能が世界水準に比して劣悪で、西側諸国のECMに遮られるとほとんど命中を期待できないという。
また、電子戦によって位置を暴露され対レーダーミサイルで撃破された事例が多数報告されている。

関連:SA-9

SA-8 1.jpg
SA-8 2.jpg

Photo:Ukraine Department of Defense

スペックデータ

9A33B(BAZ-5937)自走発射機
乗員5名
全長9.14m
全高4.2m
全幅2.8m
エンジン5D20B-300 4ストロークV型6気筒液冷ディーゼル(出力300hp)
最大速度80km/h(路上)/ 8km/h(浮航)
行動距離500km
装甲なし
携行弾数6発(予備弾なし)
兵装9M33/9M33M2/9M33M3 3連装地対空ミサイル発射機×2基


9M33ミサイル
全長3.15m
直径21cm
翼幅64cm
発射重量130kg
飛翔速度マッハ2.4
有効迎撃高度25〜5,000m
有効射程1,600〜12,000m
推進方式固燃ロケットモーター
弾頭HE 破片効果(19kg)
誘導方式アクティブレーダー誘導赤外線誘導

主なバリエーション

  • 9K33「オサー」(SA-8A):
    基本型。

  • 9K33M2「オサーAK」(SA-8Bゲッコー Mod0):
    低高度目標(主にヘリコプター)対処能力が向上し、ミサイル発射筒が密閉型になった型。
    1975年から量産化された。

  • 9K33M3「オサーAKM」(SA-8Bゲッコー Mod1):
    低高度目標(主に無人機)対処能力がさらに向上し、電波妨害対策として有線誘導のミサイルが発射できるようになった型。

  • 4K33「オサーM」(SA-N-4 ゲッコー):
    個艦防空用艦対空ミサイル型。
    セミアクティブレーダー誘導で射程も15劼反びている。
    ロシア海軍の各種艦艇に装備されている。
    発射機は油圧昇降式で、ZIF-122連装発射機を使用する。
    管制及び誘導は、MPZ-301 Baza(NATOコード「ポップ・グループ(Pop Group)」)射撃指揮装置を使用する。

    • 4K33M「オサー2M」:
      9K33M3または9K33M5ミサイル使用する型。

    • 4K33M「オサーMA」:
      9M33Mミサイルを使用する型。


*1 Оса:ロシア語でスズメバチの意。

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