Last-modified: 2017-02-10 (金) 11:22:34 (284d)

【SA-6】(えすえーろく)

旧ソ連が開発した、中距離地対空ミサイル
NATOコードはSA-6「ゲインフル」、ロシアでは2K12「クープ*1」と呼ばれている。

1959年に開発がスタート、トロポフ設計局が製作を担当し1967年に量産が開始された。
1983年に量産が終了したため現在では生産されていない。
アメリカのMIM-23「ホーク」?に性能が酷似していると言われている。

車両構成はSA-11「ガドフライ」SA-10「グランブル」と同じで、発射機はZSU-23-4「シルカ」と同じASU-85?空挺戦車のコンポーネントを流用した2P25を台車として使用しており、キャタピラで自走出来るが水陸両用では無い。
しかし、全車両がNBC兵器防護能力を持ち、赤外線夜間暗視装置も装備している。
発射機にはミサイル(3M9シリーズ、一段式の統合ロケット・ラムジェットエンジンを搭載、弾頭は59kgのHE破片弾頭)を3発搭載し、誘導方式は初期誘導中間誘導指令誘導?だが終端誘導セミアクティブレーダー誘導になり、最速マッハ2.8で高度8,000mまで到達でき最大射程は23劼任△襦

SA-6のレーダーは1S91「ストレートフラッシュ」で、出力25kW、索敵距離75kmのG/Hバンド火器管制レーダーである。
ただ、初期型の地対空ミサイルのレーダーでECMには弱いため、ミサイルは航空機搭載ECMによるジャマー(電磁妨害)への対策としてある程度のECM耐性を備えると共にレーダー波が届かなくなった時のために画像誘導を可能にしていた。

輸出もされており、主にシリア・イラク・エジプト・アルジェリア・リビア・アンゴラ・旧ユーゴスラビア・ポーランド等計22ヶ国に輸出された。
なお、輸出型はZRK-SD 2K12E「クヴァドラート」と呼ばれる。
現在、ロシア軍ではSA-11の実戦配備に伴い徐々に退役している。

実戦ではシリア軍が第四次中東戦争で初めて実戦投入し、多数のイスラエル軍航空機撃墜し、西側陣営に衝撃を与えた。
その後のレバノン侵攻?でも使用された。
またイラク軍?イラン・イラク戦争湾岸戦争で使用し、イラク戦争?でもフセイン政権時代の旧イラク軍のエリート部隊『共和国防衛隊』などが使用した。
なお、旧ユーゴスラビア軍はコソボ紛争?NATO軍機を1機撃墜している。

SA-6.jpg

Photo:Ukraine Department of Defense

関連:ZSU-23? SA-10 SA-11

スペックデータ

2P25自走発射機
乗員3名
全長7.38m
全高3.45m
全幅3.18m
戦闘重量14.0t
エンジンV-6R 4ストローク直列6気筒液冷ディーゼル(出力240hp)
最大速度44km/h(路上)
航続距離260km
装甲9.4mm
兵装3M9地対空ミサイル3連装発射機×1基(携行弾数3発)
生産台数-


3M9ミサイル
全長5.8m
直径0.33m
翼幅1.24m
発射重量599kg
飛翔速度マッハ2.8
有効射程3,700〜24,000m
有効射高50〜12,000m
推進方式固燃ロケットモーター+ラムジェット
弾頭HE 破片効果弾頭(59kg)
誘導方式無線誘導/セミアクティブレーダー誘導


バリエーション

  • 2K12「クーブ」(SA-6A):
    初期生産型。

  • ZRK-SD 2K12E「クヴァドラート」(SA-6):
    初期生産型の輸出型。

  • 2K12「クーブM1」(SA-6):
    初期型の発展型。
    有効高度30〜8,000m、有効射程4,000〜23,000m。

  • 2K12「クーブM2」(SA-6):
    M1型の発展型。
    有効高度20〜8,000m、有効射程4,000〜25,000m。

  • 2K12「クーブM4」(SA-6):
    M2型の発展型。
    全長5.7m、重量599kg、炸薬重量56kg。有効高度30〜14,000m、有効射程4,000〜24,000m。
    誘導方式はセミアクティブレーダー/赤外線誘導


*1 Куб:ロシア語で「3乗」の意味で、ミサイルを3発搭載することに由来する。

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