Last-modified: 2017-07-15 (土) 19:54:16 (2334d)
【SA-4】 †
旧ソ連がS-75(SA-2)の後継として開発した自走式長距離地対空ミサイル。
NATOコードはSA-4「ガネフ」。
ロシアでは2K11「クルーグ(Krug*1)」と呼ばれている。
1957年から開発が開始され、1964年に部隊配備が開始。モスクワの赤の広場?での行進で初めて一般に公開された。
ブルガリア・旧チェコスロバキア・旧東ドイツ・ポーランド・エジプトに輸出されたが、実戦に投入された例は無い。
ロシア軍では、SA-10やSA-12の配備に伴い1990年代に退役しており、現在は訓練弾として用いられている。
関連:SA-10 SA-12
配備国 †
運用中 †
- アルメニア
- アゼルバイジャン
- トルクメニスタン
- キルギス
- 北朝鮮
退役 †
- チェコスロバキア
- 東ドイツ
- ハンガリー
- ブルガリア
- ポーランド
- ソ連/ロシア
- ウクライナ
構成 †
※以下の構成で運用される。
レーダー及び指揮管制車 †
- 1S12捜索レーダー警戒車
- AT-T装軌車を改造したもので、防空担当空域の監視と射撃目標の選定を行う。
P-40対空レーダー(NATOコード:ロングトラック)を搭載。
最大探知距離:約180km、高度:12,000m。 - 1RL132高度測定レーダー車
- P-40により発見された目標の高度を算定する。
PRV–9 高度測定レーダー(NATOコード:シンスキン)を搭載。
最大測定可能範囲は200〜300km。
2軸4輪のトレーラーに搭載され、主にKraZ 214 6輪トラックによって牽引された*2。 - 9S44「クラブK-1」指揮管制車
- システム全体の指揮・管制車両。
1981年には改良型の9S468M-1「ポラナD-1」に更新された。
射撃ユニット †
- 1S32 ミサイル追尾レーダー/射撃統制車
- NATOコード:パットハンド。
9M8ミサイルの追尾と誘導を担当。レーダーの最大有効範囲は約130km。 - 2P24 起倒式自走発射機(TEL)
- 9M8ミサイル 2発とその連装発射装置を搭載。
- 2T6 予備弾運搬/装填車
- 9M8ミサイルの即用予備弾1発と2P24への装填装置を搭載。
支援車輛 †
- 9T25 予備弾運搬車
- 9M8ミサイルの予備弾1発をZil-157KVトラクターと2軸4輪セミトレーラーによって運搬。
ミサイルは長距離移動時は密封コンテナに収納されて搭載される。 - 9T31 クレーン車
- 9T25より2T6に、また保管状態のミサイルを9T25に移送するためのクレーン車。
スペックデータ †
2P24自走発射機 | |
乗員 | 3〜5名 |
全長 | 9.46m |
全高 | 4.47m |
全幅 | 3.20m |
戦闘重量 | 30.0t |
エンジン | V-59 4ストロークV型12気筒液冷ディーゼル(出力520hp) |
最大速度 | 45km/h(路上) |
航続距離 | 450km |
携行弾数 | ミサイル2発 |
装甲厚 | 15mm |
兵装 | 3M8地対空ミサイル連装発射機×1基 |
生産台数 | - |
3M8ミサイル | |
全長 | 8.80m/8.30m(3M8M2) |
直径 | 0.86m |
翼幅 | 2.73m |
発射重量 | 2,500kg |
飛翔速度 | マッハ2.5 |
有効射程 | 8,000〜55,000m/9,300〜72,000m(3M8M1)/11,000〜50,000m(3M8M2) |
有効射高 | 300〜27,000m/100〜24,000m(3M8M2) |
推進方式 | ラムジェット+固燃ロケットモーター(ブースター4本) |
誘導方式 | ラジオ指令?/セミアクティブレーダー |
弾頭 | HE 破片効果弾頭(135kg) |
派生型 †
- 2K11「クルーグ」(SA-4):
3M8ミサイルを搭載する初期型。
- 2K11M「クルーグ-M」(SA-4A):
射程延伸型の3M8M1ミサイルを使用する型。
- 2K11M2/M3「クルーグ-M1」(SA-4B):
改良型の3M8M2ミサイルを使用する型。
- 9M316M "Virazh":
実弾標的として改装された型。
- M-31:
艦対空ミサイル型。
原子力推進の1126型巡洋艦に搭載される計画であった。
1126型の計画中止により、本ミサイルも開発中止となった。