Last-modified: 2023-05-19 (金) 20:31:20 (135d)
【SA-17】 †
現在ロシア軍で現役のSA-11ガドフライを改良した、新型中距離地対空ミサイル。
NATOコードはSA-17「グリズリー」、ロシアでは9K37M1-2「ブークM1-2(または9K37 ブークM1-2)」と呼ばれている。
SA-17は1995年ロシア軍に配備されたSA-11(9K37「ブーク」・9K37M1「ブークM1」)の改修型だが、車両構成は輸送車兼用起立式レーダー装備発射機(TELAR)・輸送起立発射機(TEL)・指揮統制車の三種類となっている。
ミサイルは9M38M1と9M317の2種類のミサイルを使用し、SA-11と比べて高度25,000m(SA-11は22,000m)、最大射程50km(SA-11は35km)と強化されている。
誘導は初期誘導・中間誘導が慣性誘導で終端誘導はセミアクティブレーダー誘導、弾頭の炸薬は50〜70kgHE破片弾頭と強化され、最大マッハ4で飛行する目標も対応可能になった。
多機能交戦レーダーは新型レーダーである「9S18M1(NATOコード:スノードリフト)」でGM-569装軌車両に搭載されている。
最後に発射機は、寒冷地を考慮して凍結防止強化されたらしいが他は不明である。
なお、海軍型として3K37「ヨーシュ(SA-N-12)」が開発されている。
関連リンク:http://www.ausairpower.net/APA-9K37-Buk.html
関連:SA-11 SA-N-12? HQ-16?
スペックデータ †
全長 | 5.53m |
直径 | 40cm |
発射重量 | 720kg |
射程 | 2,500〜50,000m |
速度 | 1,200m/sec |
飛行高度 | 10〜25,000m |
推進方式 | 固体推進ロケットモーター |
弾頭 | HE 破片効果(50〜70kg)またはHE(50kg) |
誘導方式 | 慣性/セミアクティブレーダー |
主な種類。 †
- 9K40(SA-17):
量産型。
- 「ウラール」:
「ブークM1-2」の輸出型。
名称はウラル山脈またはウラル川の意味。
- 3K37「ヨーシュ(SA-N-12『グリズリー』)」:
9M317を装備する艦対空ミサイル型。
ソブレメンヌイ級駆逐艦(EM型)などに装備。
ミサイルは、VLS用に主翼を小型化した改良型の9M317M (輸出型は9M317ME)や、アクティブレーダー誘導型の9M317A(輸出型は9M317MAE)を使用し、発射機は3S90E.1VLSを使用する。
- 3S90"Ezh"(SA-N-7B/SA-N-12):
9K37M1-2の艦対空ミサイル型。9M317ミサイルを使用する。
- 3S90E.1「シュチーリ-1(SA-N-12『グリズリー』)」:
輸出型。9M317MEミサイルを使用する。
- 3S90M「スメルチ」:
艦対空ミサイル型。9M317Mミサイルを使用する。
- 3S90"Ezh"(SA-N-7B/SA-N-12):
- HQ-16(紅旗16):
「シュチーリ-1」またはその中国版派生型。
江凱II型(054A型)フリゲートに搭載。