Last-modified: 2020-08-02 (日) 14:02:45 (1150d)
【SA-16】 †
旧ソ連が開発した個人携帯式地対空ミサイル。
NATOコードではSA-16「ギムレット」、ロシアでは9K310「イグラ-1」と呼ばれる。
1970年代中ごろから開発が開始され、1981年3月11日に量産化が開始された。
誘導方式はオールアスペクト発射能力を持つ赤外線誘導。
また、ジャマー対策に目視照準機も付属されている。
9M313ミサイルは前作の9M36(SA-14)と比べると、次のような改良が図られている。
- シーカーの感度向上:従来使用されてきた硫化鉛(PbS)に加えてアンチモン化インジウム(InSb?)素子を導入し、長波長赤外(LWIR)帯域に対応
- IFFシステムの改良による同士討ちの防止
- 照準行程の自動化による応答時間短縮
- ロケットモーターの大型化と誘導装置の改良による射程の延伸
湾岸戦争ではイラク軍が使用し、イギリス空軍のトーネードIDSを撃墜したほか、平成13年に九州南西沖において発生した不審船事件では、沈没した船内からRPG-7などの武器とともに発見されたことで知られている。
スペックデータ †
全長 | 1.673m(ミサイル本体)/1.7m(ミサイル発射管) |
直径 | 7.2cm |
翼幅 | 25cm |
発射重量 | 10.8kg(ミサイル本体)/16.65kg(ミサイルを含む発射管全体) |
射程 | 3,000m |
速度 | 570m/sec |
飛行高度 | 3,000m〜3,500m |
推進方式 | 固体推進ロケットモーター |
弾頭 | HE 破片効果弾頭(2kg) |
誘導方式 | 赤外線誘導 |
誘導装置 | 赤外線シーカー (1チャネル、波長3.5-5.0μ) |