Last-modified: 2016-03-16 (水) 21:22:33 (376d)

【S-92】(えすきゅうじゅうに)

Sikorsky S-92 Helibus(ヘリバス).

アメリカが中心となって6カ国共同で開発された、民間向け大型双発ヘリコプター

  • シコルスキー(アメリカ)
  • 三菱重工(日本)
  • エンブラエル?(ブラジル)
  • 台湾エアロスペース(台湾)
  • 中国国家航空技術輸出入公司(中国)
  • スペイン諸企業(CASA等)

といった多数の企業が参加するプロジェクトである。特に中国と台湾が同一の開発計画に参加したことで注目を集めた。
UH-60の技術をもとにローターブレードやキャビンの大型化を図ったものだが、ローターの翼端を垂れ下げてボルテックスリングを抑制し、乗り心地を良くしている。
また胴体横に大型のスポンソンを設け、キャビンの広さと燃料タンクの確保を両立している。
燃料タンク部分は非常時に切り離すことができ、迅速な燃料投棄が可能となっている。
本機の設計に際しては、新たな損傷許容設計基準を採用し、非常に高い冗長性を確保したとしている。

本機の軍用型がカナダ軍にCH-148の名称で採用されており、また韓国の大統領専用ヘリコプターとしても使用されている。

しかし、本来の「民間向け」市場においては、AW101ほどではないにせよ苦戦を強いられており、シュペルピューマの牙城を崩すことはできないでいる*1
これはアメリカ国内も例外ではなく、一説には外国製ヘリコプターの台頭に危機感を覚えた保守層が、あまりにも参加国が多すぎる共同開発機を忌避しているとも言われる。

シコルスキーアメリカ軍に対しても売り込みをかけているが、今のところ大量受注にはつながっていない。
HH-53の後継となるアメリカ空軍次期戦闘捜索救難ヘリ(CSAR-X)にも入札したが、HH-47に敗れている。
ただし、この審査はシコルスキーロッキード・マーチン*2の訴えで差し戻されたため、次回の審査で選定される可能性は残されている。
また2014年には、計画が中止されたVH-71の代替となる米大統領専用ヘリのベース機としてS-92が選定された。

関連:S-76

スペックデータ

乗員2名+乗客19名と操縦席に支援員一名
全長17.10m
胴体長17.1m
胴体幅5.26m
主回転翼直径17.17m
全高4.71m
円板面積246
円板荷重48kg/
自重7.53t
全備重量12.02t
最大離陸重量12.8t
発動機ゼネラル・エレクトリック CT7-8A ターボシャフト(出力3,000shp(2,238kW))×2基
出力重量比?2kg/hp
速度
(超過禁止/巡航)
165kts/151kts
航続距離800nm
実用上昇限度4,200m

派生型

  • S-92C:民間型。
  • S-92M:軍用型。愛称は「スーパーホーク」
    • H-92:米軍向けに提唱されている強化型。
      • HH-92:次期戦闘捜索救難ヘリとして提案された型。採用は未定。
      • VH-92:次期米大統領専用ヘリとして予定されている型。21機生産、2018年納入開始の予定。
    • CH-148:カナダ軍向け対潜ヘリコプター。愛称は「サイクロン」*3

oozora2.jpg
(おおぞら2号)


*1 奇しくもAW101と同様、日本の警視庁航空隊に1機が「おおぞら2号」として採用されている。
*2 HH-71で入札。
*3 当初はAW101がCH-148となる予定であった。

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