Last-modified: 2017-06-14 (水) 11:24:47 (181d)

【P-47】(ぴーよんじゅうなな)

P-47"Thunder bolt(サンダーボルト)"
リパブリック?社が提案し開発された、アメリカ陸軍航空隊重戦闘機。"Jug(ジャグ)"の愛称でも知られる。
1940年6月に P&W/R2800 空冷エンジンを装備する戦闘機の計画がきっかけとなって開発が始まった。

スーパーチャージャーを装備し、優れた高高度性能をもつ防空戦闘機として設計されたのだが、肝心のエンジンがあまりにも大き過ぎたため、当時の常識を超越するほど大柄な機体に仕上がってしまった。

配備初期、パイロットからは「戦闘機の概念を覆された」として、まるで怪物のように扱われた。
特にイギリス軍には「敵の銃弾を避けて逃げ回れるほどコックピットが広い」と、揶揄されたりもした。

しかし、恐ろしく頑丈で機体を蜂の巣にされても平然と飛行でき、胴体着陸にもびくともしなかった上に、上昇率やロールレートも良好であったことから、扱いに慣れるにつれて多くのパイロットから「落ちない飛行機」として気に入られ、敬意の念を持って迎えられるようになった。
中にはP-51以上に評価する者もいた。

後に様々なタイプが製作され、中でも長距離飛行を可能としたD型やN型はヨーロッパ戦線・太平洋戦線などで爆撃機の護衛として活躍したほか、とりわけP-51の登場後は大きなペイロードを活かし、翼下にロケット弾爆弾を多数搭載した戦闘爆撃機としても活躍している。

現在も多くの機体が残っており、このうち数機が飛行可能な状態で保存されている。

関連:ヤーボ

スペックデータ

乗員1名
全長11.02m
全高4.47m
全幅12.42m
翼面積27.87
自重4,510kg
最大重量7,900kg
発動機P&W R-2800-59W「ダブルワスプ」空冷星形複列18気筒×1基
(出力2,540馬力)
速度
(最高/巡航)
697km/h(外部搭載なし)/ 542km/h
上昇限度12,500m
航続距離3,060km(増加タンク使用)
固定武装ブローニングM2 12.7mm機関銃×8門(弾数425発)
爆装翼下に最大1,100kgの兵装を搭載可能。
2,500ポンドまでの爆弾
5インチ(127mm)ロケット弾×10発


派生型

  • XP-47:
    AP-4計画に基づく重戦闘機原型機。計画中止。

  • XP-47A:
    AP-10計画に基づく軽戦闘機原型機。
    アリソン V-1710液冷エンジンを搭載し、12.7mm機関銃2丁を装備した。
    計画中止。

  • XP-47B:
    XR-2800「ダブルワスプ」空冷エンジン(出力1,650hp)を搭載した防空戦闘機原型。

  • P-47B:
    XP-47Bでの欠点を改善した初期生産型。エンジンはR-2800-21(出力2,000hp)を搭載。
    12.7mm機銃×8丁を装備。

  • P-47C:
    P-47Bの不具合を改善した改良型。
    動翼の強度向上やターボチャージャー制御器のアップグレードなどが図られている。

    • P-47C-1:
      胴体延長やオイルクーラー排気口・ブレーキ・着陸装置・電気系統などに改修を加えた型。

    • P-47C-2:
      胴体下部に爆弾架を装備した型。
      200ガロンの増槽または500ポンド爆弾を搭載可能。

    • P-47C-5:
      最多量産型。
      エンジンは水エタノール噴射装置付きのR-2800-59(出力2,300hp)を搭載。

  • P-47D:
    主要生産型。
    エンジンはR-2800-21W(出力2,300hp)かR-2800-59W(出力2,540hp)を搭載。

    • P-47D-1〜D-11:
      カウルフラップの増加やエンジンの換装および燃料・油圧系統の改良、コックピットに装甲板を追加した型。

    • P-47D-15:
      胴体内燃料容量が増加した航続距離増大型。
      両翼下にもドロップタンクが搭載可能になった。

    • P-47D-16〜D-23:
      燃料系統・エンジンサブシステムの改良および投棄可能なキャノピーや防弾風防を装備した型。
      プロペラもより大きなものに換装されている。

    • P-47D-25〜D-30:
      エンジンの改修や燃料容量の増加、エアブレーキの追加などの改修を行った型。

    • P-47D-40:
      D型の最終モデル。ドーサルフィンの追加やK-14 照準装置を搭載する改修を行った。
      武装には両翼下に127mm"HVAR*1"用のコンパクトな新型発射器が10基取り付けられた。

    • サンダーボルトMk.1:
      RAF向けのD型に付けられた呼称。キャノピーはレイザーバックタイプ。

    • サンダーボルトMk.2:
      RAF向けD型に付けられた呼称。キャノピーはバブルキャノピータイプ。

  • XP-47E:
    P-47Bを改造した試作型。
    P-47C-5用のR-2800-59エンジンや与圧コクピット、新型のハミルトン・スタンダード製プロペラの試験に使用された。

  • XP-47F:
    P-47Bの主翼を層流翼に変更した試作型。

  • P-47G:
    カーチス・ライト社で生産されたP-47D初期モデルの呼称。

  • TP-47G「ダブルボルト」:
    コックピットをタンデム複座に改造した練習機型。
    生産には至らなかった。

  • XP-47H:
    クライスラーXIV-2200 倒立V型16気筒液冷エンジン(出力2,300hp)を搭載した試作型。
    P-47Dを改修したP-47系唯一の液冷装備型。

  • XP-47J:
    R-2800-57(C)エンジン(2,800hp)を搭載する試作型。P-47Dの軽量化改修機。

  • XP-47K:
    バブルキャノピー(ホーカー・タイフーンのものを流用)を搭載した試作機。

  • P-47M:
    R-2800-57(C)エンジンを搭載するモデル。一部機体は機銃を6丁に減じた。
    130機が製造され、Me262を撃墜する戦果を挙げている。

  • P-47N:
    燃料タンクを拡大した新設計主翼を持つ太平洋戦域向け長距離型。

  • RP-47:
    偵察機型。1機のみ製作。

  • XP-72「スーパーサンダーボルト」:
    R-4360-13「ワスプ・メジャー」を搭載する試作型。
    ドイツのV-1?ミサイルに対抗させる目的で開発されたが、ジェット機の出現により開発中止となり生産には至らなかった。


*1 High Velocity Air Rocket.

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