Last-modified: 2022-11-21 (月) 07:55:32 (13d)

【P-40】(ぴーふぉーてぃ)

Curtiss P-40 Tomahawk/Kittyhawk/Warhawk.

アメリカのカーチス社が1930年代に開発・生産し、第二次世界大戦期に運用された単発レシプロ戦闘機
愛称は「トマホーク」「キティホーク」「ウォーホーク」。

開発

本機は「P-36「ホーク」?」戦闘機を原型に、搭載する空冷エンジン液冷エンジンに換装、ターボチャージャーを装備した「XP-37」試作高高度戦闘機から不調の多いターボチャージャーを除いた改良型として開発された。
1938年に初飛行した原型機は、P-36から約50km/hの最高速度向上を実現、直ちに量産命令が下された。

特徴

本機は同時期の世界の先進的な単発レシプロ戦闘機と比較するとカタログスペック上は平均的な機体であったが、旧来的ながら堅実な設計から生産性や機体構造の強固さでは他を上回った。
また、防弾装備や人間工学への配慮がなされたコックピットは実際に本機に搭乗するパイロットたちの生存率向上に寄与した。
さらに、機体重量の大きさ、前面投影面積の小さい液冷エンジンが組み合わさった結果、本機の急降下性能は非常に優れたものとなった。この特性は急降下を伴う一撃離脱急降下爆撃、戦闘中の迅速な離脱の容易さに繋がった。

戦史

当初の量産型は第二次世界大戦の本格化しつつある欧州のフランス空軍にて運用される予定だったが、引渡し前にフランスがドイツの侵攻を受けて降伏したため、イギリス空軍が同機を引き取り「Tomahawk Mk.機廚箸靴萄陵僉バトル・オブ・ブリテンで運用された。

その後、生産を継続しながら改良型が次々と開発され、本国のUSAAFや英国のみならず英連邦のカナダ軍やオーストラリア軍、ニュージーランド軍、南アフリカ空軍のほか、自由ポーランド軍やトルコ軍、ブラジル軍、中華民国軍などにも引き渡され、大戦序盤の連合国軍の防衛戦における主力戦闘機となった。

また、ソ連空軍もレンド・リースによって受領した機体を運用したが、国産機や他のレンド・リース機と比べて比較的低い運動性から評価は芳しくなかった。

連合国が攻勢に転じた大戦中期以降は、長距離任務の増加から主力機はP-38「ライトニング」P-47「サンダーボルト」P-51「マスタング」といった航続距離の長い機体へと移り、P-40の生産は1944年に終了した。総生産数は13,738機であった。
その後も終戦まで運用は継続され、P-40は第二次世界大戦全期を通して活躍した機体となった。

スペックデータ(P-40E)

乗員パイロット1名
全長9.665m
全高3.25m
翼幅11.367m
翼面積21.9
翼型ルート:NACA2215、チップ:NACA2209
空虚重量2,686kg
全備重量3,862kg
発動機アリソン V-1710-39(F3R)液冷V型12気筒×1基
出力1,150hp/858kW(高度3,566m)
1,490hp/1,111kW(高度1,311m、戦時緊急出力)
プロペラカーチス・ライト電動定速プロペラ3枚翅
最高速度538km/h(高度4,600m)
583km/h(WEP時,高度4,572m)
巡航速度496km/h
航続距離1,152km(エンジン出力70%)
上昇限度8,900m
高度到達時間4,571mまで6分15秒(12.2m/s)
翼面荷重171kg/
馬力荷重0.222kW/kg
武装ブローニングM2 12.7mm重機関銃×6挺(各235発)
爆装3箇所のハードポイント(胴体下と主翼下)に110〜450kg爆弾を910kgまで搭載可能


バリエーション

モデル75シリーズ(アリソンエンジン搭載)

  • XP-37:
    モデル81を米陸軍が審査した時の呼称。社内呼称モデル75I。

  • YP-37:
    ターボチャージャー付きのアリソンV-1710-21エンジン搭載の実用試験機。
    エンジンの不調が目立ち、満足な試験飛行が不可能だったため、1942年に計画中止となった。

  • XP-40:
    P-36AにV-1710-19エンジンを搭載した改良型原型。社内呼称モデル75P。

モデル81シリーズ

  • モデル81:
    モデル75を改造した原型機。
    エンジンはスーパーチャージャー付きのアリソンV-1710-11(離昇出力1,150hp)を搭載。
    全長も75竸ばされ、コックピットが後方に移されたが、前方視界が極めて悪かった。

  • P-40:
    米陸軍向けの初期生産型。V-1710-33エンジン(出力1,040hp)を搭載。
    武装は主翼内にブローニングM1919 7.62mm機銃を搭載。

    • P-40A:
      P-40にカメラを搭載した非制式の写真偵察機の呼称。1機のみ製作。

    • P-40G:
      P-40にトマホークMk.Aの主翼(7.7mm機銃×4挺仕様)、防弾鋼板、防弾ガラスを取り付けた機体。
      一部はソ連へ供与。

    • RP-40:
      偵察機型。

    • TP-40:
      複座の操縦士転換練習機へ改造した型。
      胴体燃料タンクは廃されている。

    • ホーク81A-1:
      フランス空軍向けP-40。フランス降伏によりイギリス空軍が受領。

      • トマホークMk.機
        ホーク81A-1のイギリス空軍での呼称。

    • P-40B:
      P-40の改良型。
      自動漏り止めタンク、翼内7.62mm機銃を2丁増設して4挺にした。

    • ホーク81A-2:
      英国向け供与型。B型相当の機体。

      • トマホークMk./Mk.A:
        ホーク81A-2のイギリス空軍での呼称。

    • P-40C:
      B型の改良型。
      改良型自動漏り止めタンクを装備したが飛行性能は犠牲になった。
      無線機はSCR-274N(AN/ARC-5?)に変更され、52galのドロップタンクが用意された。

    • ホーク81A-3:
      英国向け供与型。C型相当の機体。

      • トマホークMk.B:
        ホーク81A-3のイギリス空軍での呼称。

      • ホーク81A-2/3:
        輸出型。イギリスに供与予定だった機体を中国が購入したもの。
        中国国民党軍に引き渡され、アメリカ合衆国義勇軍(AVG、愛称「フライング・タイガース」)が使用した。
        増槽を装備していない。

モデル87シリーズ

  • P-40D:
    再設計改良型。V-1710-39(-F3R)エンジン(出力1,150hp(860kW))を搭載。
    武装は12.7mm機銃×4挺。

    • P-40D-1:
      アメリカ陸軍航空軍(USAAF)向け。

    • ホーク87A-1:
      英国供与型。D型相当の機体。

      • キティホークMk.機
        ホーク87A-1のイギリス空軍での呼称。

  • プロトタイプP-40E:
    D型の主翼を12.7mm機銃×6挺を装備する主翼に変更した型。

    • P-40E:
      D型の改良型。翼内搭載機銃を12.7mm機銃×6挺に強化。
      一部の機体は「フィッシュテイル」排気筒を装備し、後期生産型は垂直尾翼が大型化している。

    • P-40ES:
      複座練習機型。

    • P-40EF:
      ソビエト空軍がE型・K型を写真偵察機として改造した型。

    • ホーク87A-2:
      英国供与型。D型相当の機体。

      • キティホークMk.A:
        ホーク87A-2のイギリス空軍での呼称。

      • P-40E-1:
        ホーク87A-2のアメリカ陸軍航空軍での呼称。

  • P-40F:
    パッカードV-1650-1(イギリス製、マーリン28エンジンのライセンス生産型、出力1,300hp)エンジン搭載の高高度性能向上型。
    武装は翼内12.7mm機銃×6挺。

    • XP-40F:
      D型にマーリン28型エンジンを搭載したプロトタイプ。

    • P-40F(P-40F-1):
      パッカードV-1650-1エンジンを搭載した初期生産型。

    • P-40F-5:
      胴体後部を長胴化した型。

    • P-40F-10:
      手動操作のカウルフラップを装備した型。

    • P-40F-15:
      防寒装備を備えた型。

    • P-40F-20:
      コックピットの酸素流入装置を変更した型。

    • YP-40F:
      試験機型。

    • P-40R-1:
      マーリンエンジンの不足により、アリソンV-1710-81エンジンを搭載した型。

    • ホーク87B-2:
      英国供与型。F型またはL型相当の機体。

      • キティホークMk.供
        ホーク87B-2のイギリス空軍での呼称。

  • P-40J:
    排気タービン装備予定の高高度戦闘機型。計画のみ。

  • P-40K:
    E型の改良型。エンジンはアリソンV-1710-73を搭載。

    • P-40K-1:
      中国へレンドリース予定だったものを真珠湾攻撃後にアメリカ陸軍航空軍と英国空軍が引き取った機体。

    • P-40K-5:
      ロータリーバルブ冷却器を備えた型。

    • P-40K-10:
      胴体尾部を長胴化した型。

    • P-40K-15:
      防寒装備を備えた型。

    • TP-40K:
      複座練習機型。

    • XP-40K:
      主翼のルートラジエーター試験機。
      エンジンはV-1710-43を搭載。

    • ホーク87B-3:
      英国供与型。K-1型またはL型またはM型相当の機体。

      • キティホークMk.掘
        ホーク87B-3のイギリス空軍での呼称。

  • P-40L:
    F型の軽量化モデルだが、一部装備品が異なる。

    • P-40L-1:
      P-40F-5と同様の機体。一部装備品が異なる。

    • P-40L-5:
      燃料容量を削減した型。

    • P-40L-10:
      エンジンシステムを改良し、電気補助翼を備えた型。

    • P-40L-15:
      改良されたキャブレターフィルターと信号灯を備えた型。

    • P-40L-20:
      無線や電機システムを変更した型。

    • P-40L-25:
      567機発注もキャンセルされ製造されず。

    • P-40L-30:
      60機発注もキャンセルされ製造されず。

  • P-40M:
    K型のエンジン換装型。
    アリソンV-1710-81(出力1,360hp)を搭載、細かい改善点以外はK型と同等。

    • P-40M-1:
      初期生産型。

    • P-40M-5:
      キャブレターエアフィルターとエルロンを改良した型。

    • P-40M-10:
      燃料システムを改良した型。

    • TP-40M:
      複座練習機型。

    • キティホークMk.掘
      英国空軍およびオーストラリア空軍・ニュージーランド空軍供与型。

  • P-40N:
    最終生産型。
    機体がより軽量化され、アリソンV-1710-81(後に-99、-115)エンジンを搭載。

    • P-40N-1:
      初期生産型。主翼機銃は4挺。

    • P-40N-5:
      コックピットキャノピーを改良した型。
      主翼機銃を6挺に増強している。

    • P-40N-6:
      P-40N-5の胴体に偵察用カメラを搭載した現地改造型。

    • P-40N-10:
      防寒装備を備えた型。主翼機銃は4挺。

    • P-40N-15:
      バッテリーを移動し、主翼燃料タンク大型化、主翼機銃を6挺に増強した型。

    • P-40N-16:
      P-40N-15の偵察機改造型。

    • P-40N-20:
      アリソンV-1710-99エンジン搭載型。

    • P-40N-25:
      改良型計器盤と非金属性燃料タンクを備えた型。

    • P-40N-26:
      P-40N-25の偵察機改造型。

    • P-40N-30:
      バルブと電機システムを変更した型。

    • P-40N-35:
      システムを変更して新型の無線機を搭載した型。

    • P-40N-40:
      改良された燃料タンクや新型の無線機および酸素システムを装備した型。
      エンジンはV-1710-115(1,360hp)を搭載。

    • TP-40N:
      複座練習機型。

    • XP-40N:
      バブルキャノピーに改良されたN型の非公式呼称。

    • ホーク87V/W:
      英国供与型。N型相当の機体。

      • キティホークMk.検
        ホーク87V/Wのイギリス空軍での呼称。

  • P-40P:
    マーリンエンジン搭載型。マーリンエンジンの不足により実現せず。

  • P-40Q:
    エンジンを2段式スーパーチャージャー装備のV-1710-121に換装、水滴型風防を装備、冷却システムの更新など徹底改良された型。
    最高速度680km/hを出すP-40系統で最高性能のモデルだが、既に実績を挙げているP-51などの新鋭機を代替するほどの価値はないと判断され、採用されなかった。

    • XP-40Q-1:
      胴体を長胴化し、XP-40Kと同様の翼端ラジエーターや4枚プロペラを装備した型。

    • XP-40Q-2:
      大規模な設計変更後のプロトタイプ。
      ラジエーターの吸気口は機首下に移動したが、より合理化された。
      キャノピーバブルキャノピーを装備する。

    • XP-40Q-2A:
      P-40K-1をベースに改造したプロトタイプ。
      XP-40Q-2に似ているが若干の改良が施されている。

    • XP-40Q-3:
      P-40N-25をベースに改造したプロトタイプ。
      合理化されたキャノピーを除き、XP-40Q-2と同等の機体。

    • P-40Q:
      6門の50口径機関銃または4門の20mm機関砲を備えた初期生産型。生産されず。

  • P-40R:
    F型・L型のエンジンをアリソンV-1710-81に換装した型。主に練習機として使用。

    • P-40R-1:
      F型のアリソンV-1710-81エンジン換装型。

    • P-40R-2:
      L型のアリソンV-1710-81エンジン換装型。


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