Last-modified: 2017-01-12 (木) 19:26:20 (46d)

【P-2】(ぴーつー)

Lockheed P-2"Neptune(ネプチューン)"

ロッキード社が1940年代に開発した対潜哨戒機
第二次世界大戦時に使用されていたPV-1「ヴェンチュラ」/PV-2「ハープーン」哨戒爆撃機の後継として1943年から開発され、1945年に試作機が初飛行
1947年からアメリカ海軍で運用が開始された。

機体はライト社製のR-3350エンジンを搭載する中型クラスの双発機であったが、補助推進機関としてターボジェットエンジン2基を搭載している。
乗員は7名で、武装には魚雷2発または爆雷12発のほか、防御用に12.7mm機銃を装備した。
その後完成した生産型では主翼下にロケット弾を搭載できるハードポイントが追加されている。

第二次大戦中の就役には間に合わなかったが、朝鮮戦争ベトナム戦争など1950年代以降のアジア地域での争乱では当機の能力を存分に発揮し、米海軍だけでなく西側諸国の対潜哨戒機として多数が配備されることになった。
日本でもP2V-7が川崎航空機によってノックダウン生産およびライセンス生産されたほか、改良型であるP-2J*1も生産された。
日本で運用された本機は、1994年に退役するまで生産・配備された83機全機が無事故を達成している*2

後継機であるP-3の導入により、1980年代には各国軍から順次退役したが、払い下げられた機体の一部は現在も少数機が消防機として使用されている。

関連:P-3 第十雄洋丸事件

主な採用国

主な配備先(P-2J)

  • P-2J
    • 自衛艦隊航空集団
      • 第1航空群第1航空隊
      • 第1航空群第7航空隊
      • 第2航空群第2航空隊
      • 第2航空群第4航空隊
      • 第4航空群第3航空隊
      • 第5航空群臨時沖縄航空隊→沖縄航空隊→第5航空隊
      • 第51航空隊第511飛行隊
    • 鹿屋教育航空群
      • 第203教育航空隊
    • 下総教育航空群
      • 第205教育航空隊
  • UP-2J
    • 自衛艦隊航空集団
      • 第51航空隊→第61航空隊→第31航空群→第81航空隊
  • VSA

スペックデータ

形式P-2P-2J
乗員7名12名
全長27.94m29.30m
全高8.94m
全幅31.65m30.90m
主翼面積92.9
自重22,600kg19,400kg(P-2J)
離陸重量
(標準/最大)
34,000kg/36,240kg
エンジンライト? R-3350-32W空冷レシプロ×2基
(複列星形18気筒)
GET64-IHI-10?ターボプロップ×2基
補助エンジンWH J34-WE-36?ターボジェット×2基IHI J3-IHI-7D ターボジェット×2基
エンジン出力3.750shp(R-3350-32W)
1,542kg(J34)
3,060shp(T64-IHI-10)
1,550kg(J3-IHI-7D)
速度
(最大/巡航)
586km/h / 333km/h594km/h / 360km/h
実用上昇限度6,827m9,144m
航続距離4,070km5,000km
固定武装12.7mm機銃×2挺(背面銃座)
兵装胴体爆弾倉に最大3,600kgまでの兵装を搭載可能。
航空対潜魚雷×2発または対潜爆雷×12発
無誘導ロケット弾×8発
Mk.44ホーミング魚雷×4発または対潜爆雷×16発
128mm無誘導ロケット弾×8発


派生型(カッコ内は生産機数および改称後名称)

  • XP2V-1(2機):
    試作原型機。
    エンジンはライトR3350-8(出力2,300hp)を搭載。

  • P2V-1(14機):
    XP2V-1に翼下ハードポイントを追加した前量産型(初期量産型)。
    15機製造のうち1機はXP2V-2に改造。

  • XP2V-2(1機):
    1型のエンジンをライトR3350-24W(出力2,800hp)に換装した改良型試作原型機。

  • P2V-2(81機):
    ソノブイの搭載能力を付与された改良量産型。
    エンジンはR-3350-24Wを搭載。

  • P2V-2N「ポーラベアー」(2機):
    極地探検用にスキー脚を装備した型。

  • P2V-2S(1機):
    捜索レーダーを搭載した早期警戒機型原型機。

  • P2V-3(53機):
    エンジンをライトR-3350-26W(出力3,200hp)に換装した量産型。

  • P2V-3B(16機):
    近接支援評価用に対地爆撃レーダー装備した型。

  • P2V-3C(12機):
    核兵器搭載能力を持つ空母搭載改修型。

  • P2V-3W(30機):
    APS-20捜索レーダーを搭載する早期警戒機型。

  • P2V-3Z(2機):
    座席を6席追加したVIP輸送機型。

  • P2V-4(P-2D)(52機):
    早期警戒機改良型。
    エンジンをR-3350-30Wに換装し、翼端燃料タンクを設置した。

  • P2V-5(424機):
    改良型。
    エンジンはライト R3350-30W(3,250hp)を搭載し、翼端タンクや機首捜索員席、MADを追加装備した。

  • P2V-5F(P-2E):
    5型に補助用のJ-34ターボジェットエンジン2基を追加装備した型。

  • P2V-5FD(DP-2E):
    5F型の無人標的機管制機型。

  • P2V-5FE(EP-2F):
    5F型の電子偵察機型。

  • P2V-5FS(SP-2E):
    5F型に音響捜索装置を搭載した型。

  • ネプチューンMR.1(52機):
    P2V-5に準ずる英国向け機体の英軍呼称。

  • P2V-6(P-2F)(83機):
    機雷投下および偵察機型。エンジンはR3350-32W(3,500hp)を搭載。
    爆弾倉は拡大され、翼端タンクを装備している。

  • P2V-6M(16機):
    対艦ミサイル搭載型。P2V-6Bより改称。

  • P2V-6F(P-2G):
    6型にJ-34ターボジェットエンジン2基を追加した型。

  • P2V-6T(TP-2F):
    機上作業練習機型。

  • P2V-7(P-2H)(311機):
    6F型の改良型で最終モデル。

  • C-122:
    P2V-7に準ずるカナダ向け機体の呼称。

  • P2V-7B(15機):
    機首捜索員席を撤去し20mm機関砲×4基を装備したオランダ向け機体。

  • P2V-7S(SP-2H):
    対潜器材を改良し、音響捜索装置を搭載した型。

  • P2V-7LP(LP-2J)(4機):
    スキー脚を装備する極地探検用機。

  • DP-2H:
    7型の無人標的機管制機改修型。

  • EP-2H(1機):
    7型改造の特殊偵察機型。

  • NP-2H(1機):
    7型の特殊試験機改修型。

  • P2V-7U(RB-69A)(5機+2機改修):
    CIAが海軍から購入し、アメリカ空軍に運用を委託した電子偵察機型。
    実際の運用は台湾(中華民国)空軍に再委託され、中華人民共和国や北朝鮮に対する隠密偵察飛行に投入されていた。

  • AP-2H(4機):
    対地レーダーを装備するガンシップ型。

  • RP-2E(AP-2E):
    ベトナム戦争中アメリカ陸軍で使われた電子偵察機型。

川崎航空機でのライセンス生産型

  • P2V-7改(1機):
    P2V-7を川崎航空機で改修した型。
    エンジンはターボプロップ化され、胴体が延長されている。

  • P-2J(82機):
    P2V-7改に準ずる海上自衛隊向け量産型。
    愛称は「おおわし」。

  • UP-2J(2機):
    多用途機型。

  • UP-2J(2機):
    ELINT機型。

  • VSA*3
    可変特性実験機。
    機首に試験用の標準ピトー管が設置された以外に外見上の違いは無い。

*1 本機は、P-3B並みのハードを備えていたとされる。
*2 これは軍用機としては極めて珍しいケースだという。
*3 Variable Stability Test Aircraftの略。

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