Last-modified: 2019-01-10 (木) 21:45:17 (1607d)
【OQQ-22】 †
海上自衛隊の護衛艦に装備される対潜戦闘用の火器管制装置。
従来搭載されていたASWCS?(Anti Submarine Weapon Control System)を基に、大幅に改組・発展させたものである。
2012年に就役した「あきづき(DD-115)」から装備されることになった。
前システムからの変更点は次の通りである。
- 戦闘指揮システムのCOTS化
- 技本試作効果の反映
(新ASROC(07式垂直発射魚雷投射ロケット)、FCS、魚雷防御システム(TCM)などの実装化) - アメリカのUSWシステム・SQQ-89を参考としたUSWシステムの統合化
などが挙げられる。
本システムに搭載された機能で特筆すべき点は、魚雷防御システム(TCM)の構築である。
前級「たかなみ」級までの艦では魚雷に対する防御はシステム化されておらず、もっぱらソナーやSH-60などからの情報に頼っていた。
そこで、本級からはシステムが見直され、FAJ(魚雷防御ジャマー)やMOD(自走式デコイ)、魚雷逆探用ソナーと魚雷探知用ソナーからなるTCMが開発され、試験艦『あすか』にて実証のうち、本級より正式に搭載された。
本システムを構成するのは、標準計算機・標準コンソールからなる標準計算基盤(AN/UYQ-70)とハルソナー、TASS(Towered Array Soner System;曳航式アレイ・ソナー)からなり、これらとヘリコプター・データリンク(リンク16?)、CDS(OYQ-11)、魚雷発射管(HOS-303)、VLS、魚雷防御装備(TCM)が装備されている。
現在、本システムを搭載しているのは、「あきづき」「てるづき」の2艦のみである。
「あきづき」においては、就役に際して新ASROCの搭載が見送られているが、今後の改装で運用能力が実装される可能性がある。