Last-modified: 2023-09-24 (日) 10:22:20 (9d)
【OPS-28】 †
海上自衛隊が制式採用している対水上レーダー。
昭和55(1980)年に開発され、現在では幅広い護衛艦に搭載されている。
OPS-18?にかわる新たな水上レーダーとして開発された本レーダーは、パラボリック・シリンダ型のスロットアレイを採用し、内部にはIFFアンテナが組み込まれている。
このレーダーは遠距離での精密捜索能力に優れているといわれ、対艦ミサイルの探知を可能にするため、対クラッター性にも優れているといわれているが定かではない。
派生型には-1型、B型、C型、D型、E型が存在し、-1型では、ビームパターンを変更することで、より本格的な対空警戒能力も付与されている。
ただし本機では、遠距離における精密捜索を重視したことで近距離での捜索能力が低下しているため、本機の搭載艦においてはこれを補う目的でOPS-19?/20?航海レーダーも搭載されることが多い。
主な搭載艦 †
- ヘリコプター搭載護衛艦(DDH)
- ミサイル搭載護衛艦(DDG)
- 汎用護衛艦(DD)
- 護衛艦(DE)
- 輸送艦
- 補給艦
諸元 †
用途 | 対水上レーダー |
開発年度 | 昭和55(1980)年 |
走査方式 | 機械式走査 |
送信機 | 進行波管(TWT)+交差電力増幅管(CFA)(対水上捜索用) マグネトロン(航海用) |
周波数範囲 | Cバンド |
アンテナ形式 | パラボリックシリンダー型 |
素子 | 導波管スロットアンテナ |
アンテナ寸法 | 幅2m×高さ0.75m |
重量 | 85kg(空中線部) |
方位角 | 全周無制限 |
開発 | 防衛庁・技術研究本部 |
主契約会社 | 日本無線 |
派生型 †
- OPS-28B:
分散型遅延線を採用し、目標の誤検出率低下や信号処理利得の向上などを行った型。
- OPS-28C:
システム感度を10デシベル下げて探知性能を向上させた型。
- OPS-28D:
出力管を空冷化した型。
- OPS-28E:
パルス圧縮処理をデジタル化し、海面処理・降雨反射の影響を低減する信号処理などが導入された型。
- OPS-28-1:
ビームパターンを変更して、対空警戒能力を付与した型。