Last-modified: 2017-04-03 (月) 18:35:37 (258d)

【OH-1】(おーえいちいち)

川崎重工が開発した、陸上自衛隊観測ヘリコプター
愛称は"Ninja(ニンジャ)"*1
エンジンまで国産*2の、日本で2番目となる純国産ヘリコプターである*3

OH-6Dの後継機として1992年から開発が始まった。初飛行は1996年。
複合材を多用したメインローターや、オフセット配置のダクテッドファンなどにより、優れた静粛性を誇る。
また、軽快な機体にターボシャフトを双発で備えていて運動性も高く、垂直上昇しながら360度ピッチ回転してしまう「ピレネースプリット」など、独自の機動をとることもできる。*4

前席パイロット/後席観測士のタンデム座席や、RMS91式携SAMをベースにした空対空ミサイルの装備など、観測ヘリコプターというよりは武装偵察ヘリコプターに近い設計を成されている。
これは、AH-1Sを使い続けていた陸上自衛隊の事情を考慮したものと思われるが、全周囲索敵力を持つAH-64DJP「ロングボウ」の導入に伴い、本機の存在価値も見直しを迫られた。
AH-1Sよりもデータリンク能力に優れるAH-64との組み合わせで、従来以上に高度な連携を取ることができるとされる一方、ロングボウ型自体も索敵能力が高いため、予算節約のため財務省から圧力を受け、OH-1のほうが調達中止されるのではないかとも謂われていた。

結局、本機は試作4機+量産34機で調達終了となり、OH-6D(193機調達)の代替には至らなかった。

ところが、実際には陸上自衛隊によるAH-64の調達が13機で中断されると決定されたため、本機を攻撃ヘリコプター化するという案も浮上した。
ローターやトランスミッションなどの能力には余裕があるため、他にもUH-1Jの後継となる汎用型の計画もあるが、いずれにせよ派生型の開発にあたってはエンジン出力の強化などが課題になるため、強化型エンジンXTS2が開発中である。

しかし、これらの派生型案は、2012年に発覚した「UH-X*5」導入を巡る川崎と防衛省との官製談合事件によりいずれも廃案となってしまった*6

スペックデータ

乗員2名
全長12.0m
全高3.8m/4.0m(主ローター頂部まで)
全幅3.0m(水平安定板幅)
胴体幅1.0m
主ローター直径11.6m
回転円盤面積107.8
空虚重量2,439kg
基本運用自重3,550kg
最大離陸重量4,500kg
最大兵装搭載量132kg
燃料搭載量
(機体内)
1,000リットル
エンジン三菱TS1-M-10ターボシャフト×2基
推力800shp/884shp(緊急時最大出力)
速度
(最大/巡航)
140kt/119kt
実用上昇限度4,880m
航続距離550km(機内)/720km(増槽搭載時)
戦闘行動半径200km
兵装91式空対空誘導弾×4発(左右2発ずつ)
増槽×2基


oh1.jpg


*1 敵陣に忍び込み、情報を得る様子から。なお、同社の一部門「川崎重工業モーターサイクル&エンジンカンパニー」では同名のオートバイを製造・販売している。
*2 三菱重工TS1-M-10ターボシャフト(884馬力双発)を搭載。
*3 本機と同じ頃、三菱は「MH2000」を開発していたが、こちらは商品化を断念したため、本格量産されたものとしては本機が初となる。
*4 ただし、特殊飛行の資格のあるパイロットのいない部隊へ配備された機体については、ピレネースプリットなどの機動が禁止されているという。
*5 UH-1H/Jの後継となる汎用ヘリコプター導入計画。
*6 UH-Xの代替となる汎用ヘリについては、富士重工業ベルによるベル412EPIを基にした共同開発機が充てられる予定。
  一方、AH-1SAH-64Dの代替となる攻撃ヘリ(AH-X)についてはAH-1Z「ヴァイパー」AH-64Eタイガー等も候補に上がっているが、現時点では未定となっている。


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