Last-modified: 2016-02-09 (火) 12:20:01 (409d)

【MiG-31】(みぐさんじゅういち)

1970年代、旧ソビエトのミコヤン・グレービチ設計局が設計した迎撃戦闘機
運用国は現在の所、ロシア(280機)とカザフスタン(34機)のみ。
NATOコードは"Foxhound(フォックスハウンド)"

MiG-25の改良型として1975年9月に初飛行し、1977年から量産化開始、1980年から運用が開始された。
NATO攻撃機爆撃機巡航ミサイル等への対抗を主目的とする。

航空機としては初のパッシブフェイズドアレイレーダーである RP-37 N007「ザスロン(障壁)」(NATOコード「フラッシュダンス」)を装備。
戦闘機載フェイズドアレイレーダーはアクティブ方式を採用するのが一般的だが、MiG-31は戦闘機として唯一パッシブ方式を採用している。

長距離・中距離での目視外射程戦闘能力はSu-27MiG-29以上。
また、データリンクを使用してミニAWACSとしても運用でき、目標データをSu-27などに送信することが可能である。

武装ではR-33R-37KS-172等の長射程空対空ミサイルの運用が可能となった。
また中射程空対空ミサイルではR-77(MiG-31Mのみ)・R-40を、短射程空対空ミサイルではR-60が搭載可能。
補助装備としてGSh-6-23 6砲身23mmガトリングガン空中給油プローブを搭載している。
また、エンジンをソユーズ・ツマンスキー R-15BD-300ターボジェットから燃費の良いソロヴィヨーフ D-30F6ターボファンへと換装されている。

改良元であるMiG-25の「超音速飛行SAMサイト」という設計コンセプトを継承し、高高度・高速飛行中での迎撃に特化。
低空における機動力は非常に低いが、広域防空任務を想定した機体であるため、低空・低速で戦闘に突入する事自体が想定されていない。

スペックデータ

乗員2名
全長22.69m
全高6.15m
全幅13.47m
主翼面積61.6
空虚重量21,820kg
離陸重量41,000kg(機内燃料最大時)
最大離陸重量46,200kg
最大兵装搭載量6,960kg
エンジンソロヴィヨーフ(現アビアドビガーテル)D-30F6ターボファン×2基
推力93.1kN
151.9kN(A/B使用時)
最高速度マッハ2.83
巡航速度
(最大/経済)
M2.35/M0.85
上昇率208m/秒
実用上昇限度20,600m
滑走距離
離陸/着陸
1,200m/800m
航続距離1,780nm(フェリー時、空中給油なし)
戦闘行動半径388nm(マッハ2.35、R-33×4)
647nm(マッハ0.85、R-33×4)
782nm(マッハ0.85、R-33×4、増槽使用時)
1,185nm(マッハ0.85、R-33×4、増槽使用、空中給油1回)
固定武装GSh-6-23 23mm機関砲×1門
兵装R-33/R-37×4発 + R-40×2発もしくはR-33/-37×4発 + R-60×4発
R-77/RVV-AE×4発(MiG-31M)
MiG-31BM:
対レーダーミサイルKh-31P?Kh-25MP?
空対地/空対艦ミサイルKh-29TKh-59?
爆弾類:KAB-1500×3発、KAB-500×6発


MiG-31の主な種類

  • Ye-155MP:
    試作原型機。
    1975年9月16日に初飛行。
    生産型と比べて、主翼付け根のストレーキが無く、前縁フラップも無い。
    また、エアブレーキを兼ねる主脚扉の形状も異なっている。

  • MiG-31:
    空中給油プローブを持たない初期生産型。

  • MiG-31DZ:
    初期型に空中給油ドローグを装備した試験機。

  • MiG-31B:
    ECCM能力を高めた「ザスロンA」レーダーECM機器、空中給油装置を搭載した型。
    改良型のR-33S空対空ミサイルを搭載可能。

  • MiG-31BS:
    MiG-31(初期生産型)のB型仕様への改修型。

  • MiG-31LL:
    射出座席試験機型。

  • MiG-31D:
    衛星迎撃型。
    対衛星ミサイルを胴体下ハードポイントに1発搭載する。
    主翼付け根はMiG-31Mと同じ形状になっている。
    2機が試作され、実物のミサイルも製造されたが、ミサイルは試射すら行われず1990年に計画が中止された。

  • MiG-31A:
    D型に準ずる商業用衛星打ち上げ母機型。
    単体で100kg、「イシム」固体燃料ブースター装備で160kgまでの小型衛星を低軌道に乗せられる能力を持っていた。
    計画のみ。

  • MiG-31E:
    レーダーやジャミング装置、IFFを装備せず電子戦関連装置をダウングレードした輸出型。
    現在のところ海外からの発注はイランのみ*1
    また、カザフスタンにも輸出された。

  • MiG-31M:
    MiG-31の性能向上型。
    レーダーに「ザスロンM」を搭載し、ハードポイントを胴体下と翼下外側の2箇所に追加。
    電子機器も改良され、後席はグラスコックピット化された。
    また、R-37やR-77の運用能力を付与された。
    7機の試作機が生産されたが、予算不足で計画は中止され、量産・運用に至らなかった。

  • MiG-31F:
    「ザスロンAM」レーダーを搭載し、空対地攻撃能力を持つマルチロール型。
    MiG-31M同様に後席がグラスコックピット化するなど近代改修を受けている。
    量産・運用されなかったが、技術はのちのMiG-31BMにフィードバックされた。

  • MiG-31BM:
    F型に準ずるマルチロール型。
    Kh-29、Kh-31、Kh-59/Kh-59Mなど多様な空対地兵器の装備が可能となった。

  • MiG-31FE:
    BM型の輸出型。
    中国、イラク、リビア、アルジェリアに提案されたが、量産・運用されず。


*1 現時点ではイランの受領は確認されていない。

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