Last-modified: 2022-09-11 (日) 16:00:40 (21d)

【MiG-31】(みぐさんじゅういち)

1970年代、旧ソビエトのミコヤン・グレービチ設計局が設計した迎撃戦闘機
運用国は現在の所、ロシア(280機)とカザフスタン(34機)のみ。
NATOコードは"Foxhound(フォックスハウンド)"。

MiG-25の改良型として1975年9月に初飛行し、1977年から量産化開始、1980年から運用が開始された。
NATO攻撃機爆撃機巡航ミサイル等への対抗を主目的とする。

航空機としては初のパッシブフェイズドアレイレーダーである RP-37 N007「ザスロン(障壁)」(NATOコード「フラッシュダンス」)を装備。
戦闘機載フェイズドアレイレーダーはアクティブ方式を採用するのが一般的だが、MiG-31は戦闘機として唯一パッシブ方式を採用している。

長距離・中距離での目視外射程戦闘能力はSu-27MiG-29以上。
また、データリンクを使用してミニAWACSとしても運用でき、目標データをSu-27などに送信することが可能である。

武装ではR-33R-37KS-172等の長射程空対空ミサイルの運用が可能となった。
また中射程空対空ミサイルではR-77(MiG-31Mのみ)・R-40を、短射程空対空ミサイルではR-60が搭載可能。
補助装備としてGSh-6-23 6砲身23mmガトリングガン空中給油プローブを搭載している。
また、エンジンはソユーズ・ツマンスキー R-15BD-300ターボジェットから燃費の良いソロヴィヨーフ D-30F6ターボファンへと換装されている。

改良元であるMiG-25の「超音速飛行SAMサイト」という設計コンセプトを継承し、高高度・高速飛行中での迎撃に特化している。
そのため、戦闘機との近距離格闘戦に必要な運動性は非常に低いが、長射程ミサイルを搭載した広域防空任務を想定した機体であるため、近距離での対戦闘機戦闘に突入する事自体が想定されていない。

本機の後継としてMiG-41(PAK DP)が開発中である。

スペックデータ

乗員2名
全長22.69m
全高6.15m
全幅13.47m
主翼面積61.6
空虚重量21,820kg
離陸重量41,000kg(機内燃料最大時)
最大離陸重量46,200kg
最大兵装搭載量6,960kg
エンジンソロヴィヨーフ(現アヴィアドヴィガーテリ)D-30F6ターボファン×2基
推力93kN(ドライ
152kN(A/B使用時)
最高速度マッハ2.83
巡航速度
(最大/経済)
M2.35/M0.85
上昇率208m/秒
実用上昇限度20,600m
滑走距離
離陸/着陸
1,200m/800m
航続距離1,780nm(フェリー時、空中給油なし)
戦闘行動半径388nm(マッハ2.35、R-33×4)
647nm(マッハ0.85、R-33×4)
782nm(マッハ0.85、R-33×4、増槽使用時)
1,185nm(マッハ0.85、R-33×4、増槽使用、空中給油1回)
固定武装GSh-6-23 23mm機関砲×1門
兵装R-33/R-37×4発 + R-40×2発もしくはR-33/-37×4発 + R-60×4発
R-77/RVV-AE×4発(MiG-31M)
MiG-31BM:
対レーダーミサイルKh-31P?Kh-25MP?
空対地/空対艦ミサイルKh-29TKh-59?
爆弾類:KAB-1500×3発、KAB-500×6発
アビオニクスファザトロン「ザスロン」パッシブ電子走査アレイ(PESA)レーダー
8TK IRST


MiG-31の主な種類

  • Ye-155MP:
    試作原型機。
    1975年9月16日に初飛行。
    生産型と比べて、主翼付け根のストレーキが無く、前縁フラップも無い。
    また、エアブレーキを兼ねる主脚扉の形状も異なっている。

  • MiG-31 "フォックスハウンドA":
    空中給油プローブを持たない初期生産型。

  • MiG-31B:
    ECCM能力を高めた「ザスロンA」レーダーECM機器を搭載し、航法機器をA-723長距離航法システムにアップグレードした型。
    空中給油プローブを標準装備している。
    改良型のR-33SやR-37空対空ミサイルを搭載可能。

  • MiG-31BS:
    MiG-31(初期生産型)のB型仕様への改修型。
    レーダーなどの電子機器はアップグレードされていないが、R-37とR-77空対空ミサイルの搭載が可能となった。

  • MiG-31LL:
    射出座席試験機型。

  • MiG-31D:
    30P6「カンタークト」衛星攻撃システムとして開発された衛星迎撃機型。
    79M6対衛星ミサイルを胴体下ハードポイントに1発搭載する。
    主翼付け根のストレーキはMiG-31Mと同じ形状になり、主翼端にウイングレットが追加された。
    2機が試作され、実物のミサイルも製造されたが、ミサイルは試射すら行われず1990年に計画が中止された。

    • MiG-31DM:
      95M6対衛星ミサイルを搭載する改良型。計画のみ。

  • MiG-31DZ:
    初期型に空中給油プローブを装備した試験機。

  • MiG-31A:
    D型に準ずる商業用衛星打ち上げ母機型。計画のみ。
    単体で100kg、「イシム」固体燃料ブースター装備で160kgまでの小型衛星を低軌道に乗せられる能力を持っていた。

  • MiG-31E:
    レーダーやジャミング装置、IFFを装備せず電子戦関連装置をダウングレードした輸出型。
    現在のところ海外からの発注は取れていない*1

  • MiG-31F:
    B型をベースに「ザスロンAM」レーダーを搭載し、空対地攻撃能力を付与したマルチロール型。
    MiG-31M同様に後席がグラスコックピット化するなど近代改修を受けている。
    量産・運用されなかったが、技術はのちのMiG-31BMにフィードバックされた。

  • MiG-31FE:
    F型およびBM型の輸出型。
    中国、イラク、リビア、アルジェリアに提案されたが、量産・運用されず。

  • MiG-31M "フォックスハウンドB":
    MiG-31の性能向上型。
    レーダーに「ザスロンM」を搭載し、ハードポイントを胴体下と翼下外側の2箇所に追加。
    電子機器も改良され、後席はグラスコックピット化された。
    また、R-37やR-77の運用能力を付与された。
    7機の試作機が生産されたが、予算不足で計画は中止され、量産・運用に至らなかった。

  • MiG-31BM:
    MiG-31MのアビオニクスをMiG-31Bにフィードバックして改修されたマルチロール型。
    Kh-29、Kh-31、Kh-59/Kh-59Mなど多様な空対地兵器の装備が可能となった。

  • MiG-31BP(MiG-31Kとも):
    ALBM搭載型。
    レーダーを取り外して燃料を増やし、パトロール時間を増加しているほか、レーダーの代わりに照準を行うための信号を受信するための通信機器も装備された。
    胴体下部にKh-47M2「キンジャール」ALBMを搭載する。


*1 一時期イランや中華人民共和国が関心を寄せていたが、経済性や政治的な問題から売買契約は締結されなかった。

添付ファイル: fileMiG-31.jpg 2223件 [詳細]

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